成田、2年ぶり増収増益-LCC牽引、13年度もさらに拡大へ

  • 2013年5月14日
NAA代表取締役社長の夏目誠氏

 成田国際空港(NAA)の2013年3月期(2012年4月1日~2013年3月31日)連結決算で、営業収益は前年比9.0%増の1892億円、営業利益は62.9%増の347億円、経常利益は109.8%増の275億円、当期純利益は331.0%増の153億円で2期ぶりの増収増益となった。特に純利益は2004年度の民営化以降で過去最高。また、営業収益も過去3番目の水準だ。

 NAA代表取締役社長の夏目誠氏は5月14日に開催した記者会見で、「2010年10月の羽田空港再国際化、2011年3月の大震災と原発事故など、この数年で激動した経営環境の中においても空港容量の拡大、投資抑制、コスト削減などこれまで取り組んできた様々な施策がようやく実を結んできた」と分析。

 その上で、「領土問題やボーイングB787型機の運航停止、鳥インフルエンザ問題などが発生し、大雪や強風の日もあったが、総じて大きな事故もなく安全で安定した運用ができ、本格的なLCCの就航もあり、総じて評価しうる年度と思っている」と評価した。

 特にLCCが業績に与えた影響は大きい。航空機の発着回数は13.3%増の21万2000回だが、このうち国際線は5.5%増の17万3000回であったのに対し、国内線は69.0%増の3万9000回と大きく増加。旅客数も全体が15.9%増の3343万人で5年ぶりに3300万人を超えたが、国際線は10.3%増の2971万人、国内線は93.2%増の372万人となった。

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