円安で海外旅行の費用削減、旅行経験者ほど多い傾向-JTB総研調査

  • 2013年4月11日

 JTB総合研究所(JTB総研)がこのほど実施した、円安や消費増税が海外旅行に与える影響に関する調査によると、円安傾向で「特に変化はない」と答えた回答者が68.0%と最も多くなった。次に多かったのが「ショッピングやみやげの費用を減らそうと思う」で16.4%、次いで「1回の海外旅行で使う費用を減らそうと思う」13.0%となっており、旅行に関する費用を減らす傾向があることがわかる。「海外旅行をする回数を減らそうと思う」は第4位の12.8%だった。

 2010年1月以降の海外旅行の経験回数別でみると、海外旅行未経験者は「特に変化はない」が81.4%と最も高かったが、旅行回数1回では59.8%、6回以上では44.4%となっており、海外旅行の経験が増えるほど、円高の影響を受ける結果となった。また、すべての回数で「ショッピングやみやげの費用を減らそうと思う」は第1位で旅行回数3回が最も多く、33.7%だった。「海外旅行をする回数を減らそうと思う」は回数別で2位から4位に位置しており、最も割合が高かったのは旅行回数3回の22.8%となった。

 次回の海外旅行に何が影響するかを聞いた質問では、複数回答では「訪問する国の通貨の為替レート」が49.0%と最も多く、次いで「自分の休暇や休みの取得」(40.3%)、「家族や同行者の休みの取得、スケジュール合わせ」(38.8%)となった。単一回答では「自分の休暇や休みの取得」(12.7%)が第1位で、「家族や同行者の休みの取得、スケジュール合わせ」(11.7%)、「収入や月給、ボーナスの額」(11.2%)、「訪問する国の通貨の為替レート」(10.7%)と続いた。

 また、複数回答で訪問する国の通貨の為替レートが影響するとした回答者に現在よりも円安になった場合の影響を訊ねたところ、「1回の海外旅行で使う費用を減らす」が39.7%がトップで、続いて「海外旅行の回数を減らす」(37.3%)、「ショッピングやみやげの費用を減らす」(31.4%)となった。

 海外旅行の経験回数別では、3回以下の回答者は回数を減らすとしたものが35%以上だったが、4回以上の回答者は22%以下となっており、経験回数が多いほど、回数は減らさず費用を抑えて調整をはかる傾向が見られた。

 回答者全員に望ましい為替レートを訊ねた質問では、「1ドル=100円以上に上がるべき」が28.8%、「1ドル=95円くらいが適切」が25.6%と多く、「1ドル=80円台に戻るべき」は9.1%に留まった。経験回数別では、6回以上の回答者で「80円台」が20.6%と多くなるという特徴が見られた。性・年代別では、女性より男性のほうが円安を望む傾向があり、60代が「100円以上」と回答するケースが多く、JTB総研では保有資産価値の点から円安を望む場合が多いと見ている。


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