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中部、14年に新ターミナル開業-内際一体、LCCなどの需要に対応

  • 2013年3月31日

中部国際空港代表取締役副社長の伊藤鎭樹氏  中部国際空港は3月29日、2014年後半の新ターミナルビルの開設を軸にした、南側地区整備事業計画を発表した。新ターミナルビルは国際、国内線の一体運用を可能とし、CIQも設置する。

 新ターミナルビル開設のきっかけは、中部拠点化を表明したエアアジア・ジャパン(JW)から、国際、国内線の一体運用について要望を受けたこと。例えば国際線で使った機材を次に国内線で利用する場合、税関などへの申請が必要となるが、この作業に対応可能なスポットは現在2つしかないという。このため、新ターミナルでは「機材の資格変更を一体的におこなえる、内際同じ形で受け入れて対応していけるターミナル」(同社代表取締役副社長の伊藤鎭樹氏)にすることで、ネットワークの拡大をはかる。

 新ターミナルの利用対象はLCCに限定せず、フルサービスキャリアの受入も可能とする。伊藤氏は「LCCなど機材効率を高めて運航することを主眼とする航空会社」をターゲットとして説明。「航空会社別にターミナルを分けるのではなく、ターミナルの機能や性格で分けていきたい」とした。

 整備事業の対象エリアは国際線ターミナルビルの南側で、現在臨時駐車場があるエリアやその近辺。新ターミナルビルは約3万平方メートルの規模で、内際合わせて年間で300万人から500万人の旅客が取扱可能となる見込みだ。

▽駐機スポット増設、小型機対応強化

 また、南側地区整備事業計画では14年後半から15年後半にかけて、エプロンや駐車場などの整備や増設も実施する。エプロンの整備では、現状の駐機スポットの改修と新規整備を実施。中部空港によると、現在49スポットが利用可能だが、繁忙期の朝のピーク時間帯はほぼ満杯だといい、例えば、繁忙期だった2012年8月12日は夜間駐機から早朝の駐機を含めると、空きスポットは4ヶ所のみだった。今後LCCなどの就航増加で需要の増加が見込まれる中、増設する必要があるとの考えだ。

 改修では、LCCのエアバスA320型機材などの小型機の就航増加に伴い、小型機の受入を増強。現在新ターミナルビル建設予定地前にある大型機3機が可能なスポットを改修し、2014年後半から小型機5機が駐機できるように変更する。このほか、大型機2機と中型機1機、または小型機4機の駐機に使えるスポットを確保。こうした取り組みにより、混雑緩和や定時運航率の向上をはかり、空港運用の最適化、効率化を促進していく考えだ。