KNT、社員教育を大幅強化、研修を制度化-13年販売方針も

  • 2013年2月25日

 近畿日本ツーリスト(KNT)グループは2013年、社員の知識や能力の向上に積極的に取り組む方針だ。2月25日に開催した第11回大海外旅行交流コンベンションで明らかにしたもので、国内外に出張して下見や視察などの研修をおこなう。

 団体旅行を扱うKNTでは、「億単位」(KNT代表取締役社長の小川亘氏)の研修費用を予算化。また、ホリデイやメイトなどを手がける近畿日本ツーリスト個人旅行(KNT個人)と旧KNTツーリストの近畿日本ツーリスト個人旅行販売(KNT個人販売)では、合計約1000名に、1名1年あたり25日間の出張を義務付ける。

 小川氏は、「この数年間、旧近畿日本ツーリストは非常に疲弊し、弱っていた」とし、研修も費用削減の対象となって「ろくにできていなかった」と説明。研修により社員の能力を引き上げることで、受注率と「他の大手と大きな開きがある」という収益率を向上し、「最終的にはKNTは強くなったなと、また、社員が誇れる会社、周囲からうらやましがられる会社をめざしていきたい」考えだ。

 また、KNT個人については、代表取締役社長の岡本邦夫氏と常務取締役の田口久喜氏が登壇。岡本氏は、オンライン旅行会社との競争や消費者が「旅名人化」する中で、KNTは「丁寧に一つひとつパーツを組み立てて、労働集約的な業務の中で生き残っていこうと考えている」と説明。そのためには、「『こんな商品を待っていた』とお客様にいっていただける商品の造成能力が重要」と強調した。

 もともと、クラブツーリズム(CT)との統合自体が企画力向上策だが、研修を制度化することで企画担当者とカウンタースタッフの能力を伸ばしていくねらいだ。田口氏によると、約1000名の対象者のうち8割から9割がカウンタースタッフ。研修の規模は2012年と比較すると約10倍になるという。すでに、専門部署として営業支援本部に「人材教育部」を立ち上げたほか、出張するKNT個人販売の社員の業務をKNT個人の社員が補完するシステムも構築している。

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