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万里の長城で遭難事故、アミューズトラベル主催の登山ツアーで

  • 2012年11月5日

 アミューズトラベルが主催した万里の長城の登山ツアーで遭難事故が発生した。同社によると、11月4日の午後に現地から事故発生の連絡を受けており、ツアー客4名と旅行会社スタッフ、現地ガイド各1名、計6名のうち、ツアー客 3名が死亡したという。事故の詳細や事故対応のため、社長の板井克己氏が現地を訪問しており、現地の情報を踏まえて今後の対応を決定していく考えだ。

 事故が発生したのは「世界遺産万里の長城グレートウォール・100kmトレッキング」ツアー。10月28日発11月5日帰着の9日間で、1日辺り15キロから16キロ程度、5時間から8時間かけて万里の長城を歩くツアーだった。

 事故を受けて、観光庁では11月5日、旅行関係団体などに対して「旅行業者が行うツアー登山の安全確保について」と題した文書を発出した。文書では、これまでの観光庁の取り組みとして、ツアー登山の安全確保について、「ツアー登山運行ガイドライン」などの遵守や、ツアー登山の企画内容、実施・管理体制について総点検をおこない、改善すべき点は早急に改善すること、ツアーに参加する旅行者に対して注意点の周知をはかることなどを通達してきた点に言及。その上で、ツアー登山などの安全確保について、より一層の注意を払い、旅行者の安全に万全を期すよう、各団体の会員各社に対し早急に周知徹底をするよう呼びかけた。

 これを受けて、日本旅行業協会(JATA)では会員各社に臨時メールで文書を発信。全国旅行業協会(ANTA)でも会員にガイドラインの周知徹底を呼びかけていくとした。

 なお、アミューズトラベルは2009年7月、北海道大雪山系のトムラウシ山で起きた遭難死亡事故の際のツアーも主催していた。この事故ではツアー客7名、山岳ガイド1名が死亡。観光庁では事故に伴い再発防止を求める通達を観光庁観光産業課長名で発出し、事故発生後の対応策の再検証や、ツアーの企画内容などの確認、ツアー登山実施体制と管理体制の確認を求めていた。さらに2010年12月15日には旅行業法違反による業務停止命令を出し、2010年12月 16日から2011年2月4日までの51日間、旅行業務停止としていた。