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エアアジア・ジャパン、成田/札幌を4580円から-8月から国内3路線運航

  • 2012年5月30日

赤い紋付と袴で登場した、エアアジアグループCEOのトニー・フェルナンデス氏  エアアジア・ジャパン(JW)は8月1日から成田/新千歳線、福岡線の、8月3日から成田/沖縄線の運航を開始する。新千歳線は1日3便、福岡線は1日2便、沖縄線は1日1便、合わせて週84便を運航する計画で、現在政府認可申請中だ。5月30日の記者会見で、エアアジアグループCEOのトニー・フェルナンデス氏は「今日、日本で価格の改革が始まったと思っている」とし、「LCCは品質が落ちるわけではない。楽しく、安全で、素晴らしいクルーと食事を用意し、日本の皆様をお出迎えしていきたい」と意気込みを述べた。

 また、JW代表取締役社長の岩片和行氏は、バスや電車と同じ感覚で利用し、家族や友人、恋人、親戚などに気軽に会いに行く「『ちょっと空まで』といった旅を可能にしたい」と述べた。5年後には1000万人規模の乗客数、1000億円規模の売上高をめざす。航空機もリース、保有含め、25から30機規模に拡大する計画だ。

 販売は消費者への直販が主で、エクスペディア・ジャパンのウェブサイトでも実施する。運賃は、片道ベースで新千歳線が4580円から1万8880円、福岡線が5180円から1万9580円、沖縄線が6680円から2万3080円と設定した。先日ジェットスター・ジャパン(GK)が発表した運賃では、新千歳線が4590円から1万6990円、福岡線が5590円から1万8990円、沖縄線が6990円から2万2990円となっており、JWの方が底値が安い。

(中央左から)JW代表取締役社長の岩片和行氏、エアアジアグループCEOのトニー・フェルナンデス氏  岩片氏は運賃について「コンペティターは競合他社ではなく、我々自身のコスト。コストが下がればそれに見合った運賃を提供できる」と述べ、「単純な値下げ競争に入るつもりはあまり考えていない。値下げはお客様を見ておこなう」との考えだ。他社に対し、エアアジアの持つ独自性として、個性的な客室乗務員をはじめ「力強さ、成長性、若々しさ、セクシーさといった面白さ」をアピールすることで、消費者に選ばれる航空会社をめざす。

 今後の路線展開については、成田以外に小規模な拠点空港を設ける考えで、現在中部空港を有力視している。フェルナンデス氏は「今後名古屋はとても重要な拠点になる」との考えを示した。また、岩片氏によると、24時間空港である北九州や、那覇、人口の多さから将来性が見込める仙台も検討先としてあがっており、今後コスト面のメリットを含め、空港各社と話し合いを進めていく考え。早ければ来年にも路線を開設する見込みだ。

 また、国際線はすでに10月から成田/仁川、釜山線を運航する計画を発表しているが、さらにエアバスA320型機を活用した日本から2時間から4時間圏内に就航していく考え。台湾や中国などを検討しているという。また、中型機の導入計画については、短距離、中距離との区分けをした上「次のステップとして検討する」と述べた。

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