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ジェットスター・ジャパン、国交省に経営許可申請-空港コスト削減重視

  • 2011年12月21日

(左から)ジェットスターグループCEOのブルース・ブキャナン氏、ジェットスター・ジャパン代表取締役社長の鈴木みゆき氏、同社会長の福川伸次氏  ジェットスター・ジャパンは12月21日、国土交通省に航空運送事業の経営許可(AOC)を申請した。認可取得後、成田、関空をベースに2012年中の国内線就航をめざす。ジェットスターグループCEOのブルース・ブキャナン氏は、同日開かれた会見で「(申請は)日本で国内線を就航することに向けた、新たな、大きなマイルストーンになった」と述べ、「ジェットスターが日本のお客様に向け、最も低い運賃を提供できる第一歩」と自信を示した。

 ジェットスター・ジャパンによると、就航路線は成田と関空をベースに決定する計画で、新千歳、福岡、那覇などの空港と就航に関して積極的に協議しているという。12月1日付けで同社取締役社長に就任した鈴木みゆき氏は、「(空港での)コストを極力下げて効率よく運用していかなければ、お客様に通常より40%から50%値段の低い運賃を提供することが可能にならない」と言及。低価格で運賃を提供するため「グランドハンドリング部門をしっかりと慎重に計画して、今後の路線を決めていきたい」考えを示した。

 鈴木氏によると、ジェットスター(JQ)が日本路線で空港に支払う費用は全コストの25%を占めるが、オーストラリアでは15%だ。同氏は「(各空港と)グランドハンドリングのコストはもう少し合理的に提供していただけないか、という議論を進めている」といい、ここ数年でLCCの認知が日本で高まってきたため、LCCターミナルの設置も含め「話の進捗はかなり進んでいる」とのべた。

 具体的には、セルフサービス・チェックインの活用や、搭乗橋を使わず前後のドアを使用した乗降、機材の稼働率を高め利益を確保するための機材の折り返し時間短縮など、LCCならではのニーズについても話し合いを進めているという。空港に対しては、LCCの就航による旅客の増加や、空港を含め就航場所での消費拡大による経済発展といったメリットを説明し、理解してもらうことで「Win-Winの関係を築いていきたい」と述べた。

▽ジェットスター・ジャパン会長に福川伸次氏就任

 会見では、12月1日付けでジェットスター・ジャパン会長に福川伸次氏が就任したと発表した。福川氏は「同社で新しいビジネスモデルを提供できるのは、大変画期的なことと喜んでいる」と挨拶した。

 福川氏は東京大学法学部を卒業後、1955年に通商産業省(現経済産業省)に入省、貿易局長や大臣官房長、通商産業省事務次官を歴任し、1989年に野村総合研究所の顧問に就任。その後、神戸製鋼所代表取締役副会長や電通顧問を経て、2005年から現職である、財団法人機械産業記念事業財団会長を務めている。