ふるさと天草の魅力再発見 熊交会が交流事業

 熊本県出身で関西に在住する経済人らでつくる熊交会(ゆうこうかい、尾家亮会長=尾家産業会長)は10月18-19日、熊本県天草地方を訪ねる交流事業を行った。会員ら18人が現地関係者との意見交換に臨み、イルカウオッチングなどを体験した。

 熊交会は1965年に発足し、現在は1300を超える会員がいる。ふるさと熊本と毎年交流事業を行い、2年に一度は現地を訪れている。今年は3月に九州新幹線が全通したこともあり天草訪問を決定した。

 一行は新大阪駅から直通の「みずほ」で熊本入り。熊本駅から天草の玄関口の三角駅までは、10月8日にデビューして間もない観光特急「A列車で行こう」を貸切で乗車した。車内ではジャズのスタンダード曲が流れ、バーカウンターもある。普段は大人の雰囲気を醸し出しているのだろうが、この日は県の人気マスコットキャラクター「くまモン」が同乗。ユニークな仕草を連発し、車内を盛り上げた。

 三角港からは天草宝島ラインに乗船。この船もA列車の運転開始に合わせ改装し、A列車と同配色の塗装を施していた。船上から天草五橋を見学し、前島港から天草に上陸した。

 最初に訪れたのは、本社が関西にある天草きのこファーム。上天草市出身の杉田みつ子社長が同市の誘致要請に応え進出したもので、旧小学校の校舎などをそのまま活用しキクラゲを栽培している。肉厚で美味しいキクラゲは好評だった。

 漁村の中にたたずむゴシック様式の崎津天主堂はアンバランスのようであり天草らしくもあり、その後体験したイルカウオッチングとともに新旧の天草を代表する景観と言えるだろう。そのほか奇岩や洞門が連なる妙見ヶ浦と白砂青松の白鶴浜を望む十三仏公園、江戸期の天領時代に代官所が置かれていた富岡城などを視察した。

 天草市の安田公寛市長、上天草市の川端祐樹市長、苓北町の松野茂副町長らとの意見交換会では、地元側から「陶芸やオリーブの島で売りたい」「上質な大人の女性の空間をつくりたい」「レタス畑の夜景を冬の名物にしたい」。これに対し「有名作家とコラボして焼き物の産地として売り出す」「健康や美容にいいオリーブオイルを」などの意見が出ていた。

 尾家会長は「天草に対して非常にいい印象を持ちました。関西で大いにPRしたいと思います」と2日間の交流事業を総括した。

 帰りは、天草空港から天草エアラインに乗り、福岡空港を経由して関西に戻った。


情報提供:トラベルニュース社