JTB新紀元、パッケージ認知向上へBtoBtoCも-12年度1万人めざす

  • 2011年11月2日

 7月から本格的に営業を開始したJTB新紀元は、9月に発売したパッケージツアー「悠逸(ようい)」について、法人営業を中心にブランドの認知向上、販売機会の拡大をはかっていく。現時点では中国市場での認知向上が必要であるとの考えから、日系法人営業と連携した組織団体への販売や、BtoBだけでなく、企業を通じて消費者にアピールするBtoBtoCビジネスも視野に入れている。また、商品造成の面では同社で完結するのではなく、JTBグループの培ってきた国内インフラやグループの各地域会社の知見を生かし展開していく。2012年度には、レジャー、ビジネスあわせて1万人の取り扱いをめざす。

 日本政府観光局(JNTO)によると、2009年の中国からの出国者数は4766万人、このうち香港とマカオが約60%を占める中、日本は4.8%だったという。一方、2014年には出国者数が9500万人にまで拡大すると予測されており、JTBでは日本へのインバウンドを取り込む余地は大きいとみている。

 こうした中で、JTB新紀元は年間世帯年収20万元以上の中産層をターゲットとし、高品質、高付加価値の商品を販売していく考えだ。実際、10月の国慶節にあわせて発売した「悠逸」は、同期間の販売は数十名程度に留まったものの、11月以降は、オーダーメイド型商品やウェブでの申込みなどの問い合わせが増えてきているという。これまで、団体旅行がメインだったがビザ要件の緩和などによりFITの増加を見込む。

 また、販売面ではもともと強みを持って法人営業を活用する。例えば、デパートの会員組織を通じて消費者へ旅行商品の定期的な広告宣伝を展開したり、顧客の囲い込み手段として旅行商品を活用してもらったり、企業の消費者向けにPRキャンペーンイベントを実施したりするなど、BtoBtoCビジネスも展開する計画だ。

 さらに、これまで日本人顧客の旅行手配業務をメインとしてきた海外拠点で、中国人の旅行手配もできるようになることから、日本市場で成功した商品をカスタマイズして販売する。ライブツアーや世界遺産紀行のほか、ハワイやミクロネシア・アジアのリゾートや、ヨーロッパ方面のスポーツ観戦ツアーなども検討しているという。


※訂正案内(2011年11月4日 午前10時50分)
誤:悠逸(ゆうい)

正:悠逸(ようい)