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HIS澤田会長、ハウステンボスを「未来都市」に、医療観光など展開へ

  • 2011年7月28日
HIS代表取締役会長・HTB代表取締役社長の澤田秀雄氏

 エイチ・アイ・エス(HIS)代表取締役会長でハウステンボス(HTB)代表取締役社長の澤田秀雄氏は、このほど本誌らの取材に応じてHTBでの取り組みについて説明し、「観光ビジネス未来都市」の実現に意欲を示した。2010年4月の経営権承継以降、「話題性もあったかもしれないが、お客様が順調に増え、早々に黒字化できた」ものの、東日本大震災の影響を受けて2011年3月は初めて入場者数が20%前年割れ。ただし、外国人客は依然として厳しい状況であるものの、日本人客は再び増加に転じており、ハードとソフト両面を充実し、さらなる成長をめざす考えだ。

 澤田氏は、HTBの現状について「内容としては去年より1.5倍くらいは良くなっている」と分析。人気アニメ「ワンピース」のサウザンド・サニー号のクルーズを開始するなど、「いろいろな施設が前よりも充実してきている」という。ただし、「点数を付けるとすれば、サービス面、内容面、面白さ、イベントの大きさや良さを考えると58点くらい」といい、「これが70点くらいになればお客様の満足度も上がる」との考えを述べた。

宝探しイベントで賑わうHTB園内

 今後の展開については、「(HTBのもともとのコンセプトであった)オランダやヨーロッパ、チューリップのみでずっと伸びるならそれでいいが、オランダを超えることはできない」と言及。このため「ヨーロッパの良さは残しながら、未来都市を構想していく」といい、特に「立地条件、投資規模からすると、エンターテイメントのみではやっていけない」ことから、医療観光の推進や多様な分野のベンチャー企業誘致などにより、多角的に再生と成長をはかる方針を示した。

 医療観光については、「アンチエイジングと未病」をテーマにするといい、秋からの開始を予定。温熱療法に食事療法や運動を組み合わせ、「なるべく薬に頼らず、楽しく健康になる“リゾートウェルネス”」を展開するという。また、「HTBで英語学習」をテーマにした「イングリッシュ・スクエア」も開設しており、英語を公用語にした「ウォーターマークホテル長崎・ハウステンボス」や、ベンチャー企業が開設した、楽しみながら英会話を学べる施設「トモダチ・ファクトリー」で新たな需要喚起をはかっているところだ。