トラベル世界、5月以降の販売好調、6・7月は人数3割増-震災直後も営業継続

  • 2011年6月21日
トラベル世界常務取締役の渡辺孝雄氏

 トラベル世界の5月から7月の海外旅行取扱人数が好調だ。同社常務取締役の渡辺孝雄氏によると、3月、4月はエジプトをはじめとした中東方面の政情不安が大きく響いたほか、東日本大震災による新規予約の伸び悩みも影響し、3月が前年比20%減、4月が30%から40%減と減少。しかし、5月は15.5%増となり、6月も37.3%増、7月は31.2%増と予約人数が増加しているという。

 渡辺氏は、震災が発生した3月11日の翌月曜日から通常通り営業活動を実施したことが、増加の一因と分析。同氏は「お客様の気持ちは尊重する必要はあるが、旅行会社が自ら引く必要はない」と考え、旅行業界に営業自粛の雰囲気が広がるなか、顧客に対しセールスコールをおこなったという。

 同社は、従来からダイレクトメールなどを発送しているほか、月に1度以上電話でコミュニケーションをとるなど関係強化をはかっているが、こうした活動を震災直後も継続したことで、旅行を控えようという「顧客の固まった心をほぐした」ことが、5月以降の需要につながったとの考えだ。

 また、渡辺氏は同社の顧客層の特徴についても言及。同社はテーマ性の高い旅行を強みとしており、顧客層は70歳前後で時間的、経済的に余裕がある層。また、70%はリピーターで、新規顧客もほとんどが既存顧客からの紹介であるといい、もともと「旅好きで本格的な旅行をしたいという気持ちが高い」ため、外的な要因に左右されにくく、旅行自粛の傾向が全体よりも少なかったという。

※インタビューの詳細は後日掲載予定