KNT、第3四半期は営損33億円改善、費用削減が奏功−通年は黒字確保へ

  • 2010年11月10日
 近畿日本ツーリスト(KNT)の2010年12月期第3四半期累計期間(2010年1月1日〜09月30日)の連結業績で、営業収益は前年比0.6%減の452億5700万円となった一方、営業損益は22億5200万円の赤字ながら前年から32億8200万円改善した。年金制度改革などの費用削減によるもので、経常損失も29億7600万円改善の22億9500万円、純損失も51億2600万円改善の44億2800万円となり、通期ではいずれも黒字化を達成する見通しという。

 費用削減については、現在進める中期経営計画の中でパンフレットの部数や種類の絞り込み、固定費の見直しを推進。固定費では、昨年実施した希望退職により2010年で約12億円、年金制度改革により平年度ベースで約20億円の削減を見込む。

 また、収支改善策として、ウェブ販売への注力、地方中核都市での教育市場やコンベンション市場への地域密着営業、グローバル事業を展開。また、ウェブ販売への注力とともに個人旅行事業の利益最大化をめざし、赤字店や売上規模が小さく将来性のない店舗を年内に約70店舗閉鎖する計画。あわせて商品企画部門や提携販売部門の地域拠点の縮小と廃止を進め、人員はウェブ関連部署や首都圏地域に再配置していく方針だ。

 なお、ウェブ販売部門では2013年に取扱高500億円、取扱高全体の13%までの拡大をめざす。店舗については、大都市圏への大型店出店を計画する一方、さらなる拠点見直しも進める考え。こうした取り組みにより、旅行需要の動向に大きく左右されず安定的に利益をあげられる体制を構築し、2013年には54億円の連結営業利益の計上をめざす。




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