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JATA世界旅行博が開幕、139の国と地域が参加、来場者11万人見込む

 日本旅行業協会(JATA)が主催する「JATA国際観光会議・世界旅行博2010」が9月24日、東京で開幕した。オープニングセレモニーで挨拶に立ったJATA会長の金井耿氏は、「2009年は世界的な経済不況や新型インフルエンザなどがあり、厳しい1年だった」と振り返りつつ、「今年に入り旅行需要が回復基調を示しており、景気動向など気がかりはあるものの、大きなチャンスが到来している」と力強く述べた。また、日本人出国者数は2010年1月から7月までで前年比10.8%増と推移していることから、「市場の活性化が実現しつつある」と話し、「消費者に満足してもらい、より新たな需要につなげていくために何が必要か、会議と旅行博を通じてヒントをつかんでもらえれば」と集まった旅行業界関係者に活用を訴えた。

 また、国土交通副大臣の池口修次氏は、政府が6月に新成長戦略の閣議決定をしたことを挙げ、「JATAなどと連携して国際観光交流を持続可能なものにするため、イン/アウトの一体化に取り組んでいる」と語り、今回の旅行博開催が「相互の観光交流のますますの発展につながることを期待したい」と述べた。

 今回は、観光会議に90ヶ国・地域から1010人が参加を予定。旅行博は139ヶ国・地域が914コマを出展する。いずれも前年並みか微減で、金井氏は「昨年の厳しさの中で、各国の観光関係業界が緊縮体制を取られたことが影響した可能性もある」と分析。ただし、来場者数は昨年同様の11万人を見込んでおり、賑わいは確保できると予測した。

 中国ブースについては、23日夕方になってJATAに連絡が入ったという。中国側からは「出展はするが展示はしない」と説明を受けたといい、この説明について金井氏は「率直にいって受け止め方が難しい」としつつ、「個人的には、完全に断ち切ってしまう形は取りたくなかったのではないかと思いたい」とコメント。その上で、旅行博全体に大きな影響はでないとの見方を示し、「できるだけ早く(問題が)沈静化してほしい」と語った。