新生「にっぽん丸」、高級感増して再就航−デビュークルーズ満室に

  • 2010年3月24日
 商船三井客船(MOPAS)は3月21日、4ヶ月に渡る大改装を経て新しく生まれ変わった「にっぽん丸」を再就航した。今回の大改装は、就航から20年が経った「にっぽん丸」の大幅なリニューアルが目的。ハード面では、パブリックスペースとしてラウンジやスパ、ダイニングルームをはじめ、客室としてスイートルームやデラックスシングルを新設し、高級感を増した。また、救命ボートやテンダーボートも新型に変更し、空いたスペースにはベランダを設けたほか、船体の下半分を濃紺に塗り分け、シックな雰囲気を醸し出している。

 ソフト面では、従来のメインダイニングに加えてオーシャンダイニング「春日」を新設。これは、ディナー時にスイートおよびデラックスルームの乗客を優先するダイニングで、ソムリエの田崎真也氏が選んだワイン、クニエダヤスエ氏の演出によるテーブルコーディネートで、特製ローストビーフを味わうことができる。それ以外のカテゴリーに宿泊している乗客は、空席がある場合のみ3000円の席料で利用可能だ。朝食および昼食時は誰でも無料で利用できる。また、寿司バー「潮彩」も併設され、輪島塗の銘々皿で海の幸を楽しむことができる。

 展望ラウンジでは茶葉専門店ルピシアによる「にっぽん丸オリジナルブレンドティー」や会津の天然炭酸水「名水aWa心水(しんすい)」を使った天然サイダーなども提供。スパには、世界的高級ブランドの「TERRAKE」(テラケ)と提携する。

 一方、客室は幅12メートル、奥行き2メートルのベランダとジャクジー付の「グランドスイート」を新設。バトラーサービスも提供する。またデラックス・クラスには、ベランダ付きの「デラックスベランダ」と、シングル参加の乗客のために「デラックスシングル」を設けた。

 横浜港で行われた就航記念パーティには、特別ゲストとして女優の黒木瞳さんが参加。「クルーズはひとりでも夫婦でも、家族でも楽しめる旅行のスタイル。にっぽん丸に乗船して、心のゆとり、大人の楽しみを体験してみたい」と感想を語った。

 就航予定日は3月26日で、デビューは横浜発着の「伊豆諸島周遊クルーズ」2泊3日。続けて行なわれる「珍島の海割れと花の韓国クルーズ」8泊9日が改装後初の海外クルーズとなり、いずれも満室状態になっている。