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日本航空、静岡空港から撤退−県知事は搭乗率保証の支払い拒否

  • 2009年12月18日
 日本航空(JL)は2010年4月1日に富士山静岡空港発着の札幌線と福岡線を運休し、同空港から撤退することを決めた。収支改善のための路線見直しの結果。すでに決定済みの分をあわせると、国内線は2009年度以降に20路線を運休し、4空港から撤退することになる。

 現在JLでは、札幌線を1日1便、福岡線を1日3便運航。6月から10月の運航実積のうち利用率は、札幌線が84.1%、福岡線が61.3%となっている。11月以降に機材の小型化を決めているものの、採算が取れないと判断したようだ。

 福岡線は静岡県との間で、搭乗率が70%を切った場合に1座席あたり1万5800円を県が「搭乗率保証」として支払うことで合意していた。これに対して静岡県知事の川勝平太氏は12月17日、支払いを拒否する意向をJL代表取締役社長の西松遙氏に伝達。川勝氏は、撤退が当初の合意に違反するものと訴えた模様だ。

 一方、JLでは、「搭乗率保証はそもそも県側からオファーがあったもの。パッケージツアーを充実させ、社長自ら静岡で販促活動をするなど販売努力もしている」(JL広報部)との考えで、3月31日までの分については支払いを求めていく考えだ。

 なお、静岡/福岡線については、フジドリームエアラインズが2010年春に新機材を導入するのに合わせて就航する方針を示している。