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日通ペリカントラベルネット、100ヶ国で現地業者を組織化へ−消費者に素材直販

  • 2009年1月30日
 日本通運の現地法人、シンガポール日本通運旅行支店が2004年に開始した「日通ペリカントラベルネット」が、順調な拡大を続けている。シンガポール日本通運旅行支店シニアマネージャーの壁田忠幸氏によると、日通ペリカントラベルネットは「現地で営業する地元のオーナー企業の集団」で、ツアーオペレーターや現地旅行会社などをインターネット上でフランチャイズ化。加盟会社は各自のウェブページを日通ペリカントラベルネットの支店として持ち、旅行素材を消費者に直接販売する。1月の第1週時点での加盟店数は30ヶ国に33店舗で、支店開設の準備中の店を含めると47ヶ国に54店舗になるという。取扱高は2007年、2008年と前年比約2倍で推移し、2009年もほぼ2倍の1000万米ドルを目標に掲げている。

 壁田氏は、日通ペリカントラベルネットの開始の目的として、日本市場からの送客数が減少するなかで、現地で働く旅行業関係者が現地にいるからこそ販売可能な旅行素材やサービスにより、自ら収益を上げることと説明。例えば、現地だからこそ実現できる価格や商品構成のほか、情報の内容も濃いものが集められる。また、日本の旅行業法の対象からは外れて現地の法律に従って営業をするため、これまでにない自由な発想と、それによる魅力的な旅行の実現も可能と強調する。ただし、現地の旅行会社が単独で直販するような場合に懸念される、品質の低い商品の販売など消費者への不利益を回避するため、一定の品質を確保できるよう基準を設けている。今後は現地ツアーやオプションのさらなる品質向上にも力を入れたいという。

 将来的な目標としては、世界100ヶ国での展開と、加盟店間での相互送客によるネットワーク内の流通増加を掲げる。現在の運営体制としては、シンガポール日本通運旅行支店が本部機能を担う。これに加え、昨年半ばから加盟店数が急増したことを受けて、すでに米国日通旅行とオランダ日通旅行、香港日本通運旅行支店が各地域を統括する体制を構築し、体系的に運営できるようにした。