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マカオ、6月は26.3%増−一人歩きのサポート拡充とインセンティブ強化へ

  • 2008年7月29日
 マカオ観光局によると、6月の日本人訪問者数は26.3%増の2万2864人となり、1月からの上半期の累計は29.4%増の16万8322人となった。これで51ヶ月連続の対前年同月比で増加を記録している。昨年7月から今年6月までの1年間の累計は33万7600人となり、7月以降の訪問者数が前年と同レベルで推移しても、昨年を上回り、今年の目標とする35万人にも近づく推移だ。

 このうち大きな変化は、24時間以内の滞在者の割合が30%台に縮小してきたこと。4月の24時間以内の滞在者は7680人と35.8%、5月が1万1564人の39.2%、6月は1万1202人の 38.8%となり、1月の41.2%、2月の40.8%、3月の42.8%と比べると、4月からの変化が目立つ。同観光局日本代表でマイルポスト代表取締役社長の榊原史博氏は、「上期商品にあわせ、旅行会社からの協力が得られたことが反映されている」とし、引き続き旅行会社との協力関係を強くしていく考え。なかでもマカオ観光局が作成する「Sense Macau」の裏表紙に広告スペースを設け、旅行会社が自社の商品を宣伝することができる枠を設けるなど、有効的な活用をめざしているところ。すでに、エイチ・アイ・エス、近畿日本ツーリスト、ジャルパック、日本旅行、びゅうトラベルサービスでこうした枠を活用して顧客へ配布をしているという。


▽伸び率は緩やか−強化策に着手

 ただし、榊原氏は、「伸び率は緩やかになっていく。ブームに終わらないようにしなければならない」とし、今後の施策でもこうした課題を念頭に、プロモーション活動にあたる考え。特に、大きな課題としてあげているのはライセンスを保有する日本語ガイドが少ないこと。人数としては90名超がいるものの、実際に現場で働くガイドはおおよそ40名で、「インセンティブ・ツアーなどにガイドが付くようになっていく」(榊原氏)という。このため、ホールセールのパッケージツアーの対応として、ウォーキングガイドをすでに策定しているほか、CDウォークマンや iPodを活用した案内に加え、グルメガイドを策定し、観光局として「観光、食べ物、宿泊がそろった形で満足していただける旅行をしてもらいたい」と旅行会社を支援する体制を整えていく。

 マカオ観光局では、2008/2009年のマーケティング方針として、団体や熟年、女性、富裕層の観光をはじめ、インセンティブ、修学旅行、地方市場の開拓をあげる。これまでも取り組んできた世界遺産をめぐることから進化/深化し、広東料理を中心とした中国料理、植民地としての味を伝えるポルトガル料理と大航海時代の雰囲気を伝えるマカオ料理をうちだし、リピーターの育成につなげていく。さらに、先ごろのシルク・ドゥ・ソレイユによるザイアの開演から、来年には4公演、2010年に1公演、2011年に3公演とエンターテイメントが拡充、アジアの歌手やタレントによるステージが予定されていることもあわせ、世界遺産、食、エンターテイメントをあわせたデスティネーションとしてのアピールを強めていく。

 なお、インセンティブではインセンティブツアー・マニュアルを策定し、9月ごろをめどに旅行会社の企画、販売担当者に配布。これを前に8月末には東京において、団体旅行やインセンティブの担当者を集めたセミナーを開催し、グループの誘致に力を入れる。