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ボストン、レッドソックス効果に高い期待−歴史・文化、スポーツなどを前面に他デスと連携

  • 2008年3月25日
 メジャーリーグ(MLB)開幕戦のオークランド・アスレチックス対ボストン・レッドソックス戦が3月25日に開催されるが、この試合にあわせ、グレーターボストン・コンベンション&ビジターズ・ビューロー(BCVB)、コンベンションセールス副社長のベス・ステイリー氏(写真右)、マサチューセッツ州観光局スペシャライズド・マーケティング・ディレクターのケンス・ブリセット氏(写真左)が来日、日本からの観光客の増加に期待を示した。今回のMLB開幕戦に松坂大輔投手の登板が予定され、日本での関心も高まっているところ。ステイリー氏はボストンへの日本人訪問者数が2007年は前年度と比べ「確定数値は発表されていないが、大きな増加を見込んでいる」として、レッドソックスに在籍する松坂、岡島の2人の日本人選手がボストンへの関心を大いに高めていることに言及。ボストン市内には「ダイスケ・ウェイ」と名づけた通り、レストランで日本語メニューを用意するなど、街全体で日本からの観光客の受け入れを歓迎していると強調。さらに、マサチューセッツ州政府と連携し、米本土の拠点、および先ごろ開設した日本事務所と双方向で、旅行会社のサポート体制を進めているとし、日本市場の重要性をあらわした。今回の来日でも、レッドソックス、BCVB、マサチューセッツ州の三者が協力し、旅行各社へのセールスを行っており、今後はアメリカで旅行見本市「パウワウ」に過去最大規模の出展を予定、日本ではJATA旅行博へ参加するなど、関心の高まりを捉えた活動を継続する考え。

 ステイリー氏はボストンの魅力について、MLBをはじめ、ボストン・マラソン、バスケットボール、アイスホッケーに代表されるスポーツ、歴史・文化、ショッピングをあげる。アメリカでは長い歴史を持つボストンは、全米で最も長い営業期間をほこるユニオン・オイスター・ハウスをはじめ、身近に触れることができるアメリカの歴史が詰まっており、ボストンの歴史を活かした博物館から、ボストン現代美術館と今まで幅広く網羅しており、歩いて街をしながら楽しんで欲しいという。また、2009年7月には、ボストン港に帆船が集結する「セイル・ボストン(Sail Boston 2009)」が開催される予定で、こうしたイベントを活用しながら、興味・関心を高め、誘致活動をすすめていく。


▽マサチューセッツ、ニューイングランドへのゲートウェイ−日系航空会社に就航打診も

 ステイリー氏はさらに、「ボストンはマサチューセッツ州、ニューイングランドのゲートウェイ」と語り、広域での連携を示唆する。ブリセット氏はこれについて、「ニューヨークのブルックリンまで足を伸ばせば、ボストンは一段と近づく。日本からの旅行者には列車を利用して訪れていただくことも積極的に提案したい」と、アムトラックと協同でプロモーションする案を披露。さらに、観光ではボストンを起点に、フェリーで約1時間30分の場所にプロビンスタウンには清教徒上陸の歴史に触れることができ、周辺の観光素材の豊富さを提案する。

 また、「ゲートウェイ」としての位置づけとして、空港施設も重要な意味をもつ。ボストンの主要空港となるジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン国際空港の改修はほぼ完成に近づき、施設面の改善が進んだ。こうした機会を捉え、日系航空会社に対して2009年から2010年をめどに直行便の就航を働きかける活動を通じ、日本とボストンが結ばれることで、「日本からのゲートウェイ」の役割を果たすことにも意欲を示している。