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KNT再編(3)、本社は仕入れ、企画を強化「本社でこそやるもの」を選別

  • 2007年9月7日
 今回の事業再編に伴う販売会社の新設で、本社についても機能を見直す。その大きな柱は国内旅行部、海外旅行部として、仕入れとそれぞれの商品企画機能を一体化するもの。本社についても、再編の対象から例外でなく、「本社でやるべきこと、本社でこそやる、あるいは本社でしか出来ないもの」(伊藤常務)を鮮明にする方針を打ち出している。

 国内旅行では、仕入拠点をほぼ倍増となる25ヶ所として、地域密着を高める。将来的には「全都道府県に(仕入機能を)置きたい」(伊藤氏)とも語っており、形式は「2人から3人の駐在という形もある」とこだわらず、自治体などとの関係強化を図る。さらに「送客もあるが誘客もある」としており、キャンペーンやプロモーションなど仕掛けも戦略的に行う。また、ツーリストサービスの商事事業を統合し、旅館やホテルに消耗品の提供や旅館の保険事業なども手がける。海外旅行事業では、航空仕入と商品企画が一体化することで、即応が求められる現状への対応力を高め、サービス強化に努める。

 本社の「営業推進室」は廃止する見通しで、これに変わる部門として「創発事業部」(仮称)などをつくり、各部門の調整、相乗効果を目指す。これは社員10人で12人から15人の相乗効果を生み出すことを強く意識している。

 このところ強調してきた「プラットフォーム戦略」も引き続き推進。「これまで、さまざまな企業とのアライアンスは9割方、成功している」として、今後は雑誌社との連携などで一歩踏み込んだ形式も検討していく。これは、2年から3年の期間限定のベンチャー企業の設立などを視野にいれており、「KNTの旅行事業を中心とした手の届く範囲」の事業を立ち上げていく。特に、事業領域の拡大は「KNTの未来、夢の土台をつくる」と位置づけている。

 なお、再編に伴う人員削減は「ない」としており、KNT本体から新店頭販売専門会社への移籍のほか、現在の本社組織から100名から150名ほどを、6つの事業の強化する部門に再配置する計画。また、コストは人件費のほか、組織再編に伴う組織のスリム化による積み重ねにより、14億円程度の削減を想定している。

▽本日の掲載記事
KNT再編(1)−コンセプトは「挑戦」「自信」と「自立」、伊藤常務

KNT再編(2)−店頭販売事業「対面販売の能力を高める」