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日本旅行、旅行ギフト券で行政処分−上場延期の判断にも影響か

  • 2007年3月5日
 日本旅行は3月2日付けで関東財務局から、前払式証票の規制等に関する法律違反に伴う行政処分を受けた。行政処分は平成19年3月7日から4月5日まで、全営業所、事務所での第三者型前払式証票の発行業務の停止。これにより、日本旅行がギフト旅行券、ギフト観光券など新規に発行が出来ない。ただし、消費者が店頭等でギフト券を使用する行為については「回収」に該当し、既に発行されたギフト券を使用することは可能で、消費者への影響は薄い。

 関東財務局は、昨年5月に立ち入り検査した際、平成15年9月30日基準日から平成18年3月31日基準日までの未使用残高に事実と相違する報告、および平成17年9月30日基準日、平成18年3月31日基準日で発行保証金の供託金が未使用残高の2分の1となる20億円の積立不足を指摘。日本旅行では平成18年9月30日基準日の報告で関東財務局の指導の下で報告、発行保証金の供託を行ったという。

 日本旅行では昭和45年からギフト旅行券の発行を開始。今回の行政処分を受ける根拠となった「前払式証票の規制等に関する法律」は平成元年に施行されたが、今回指摘された平成15年まで「未使用残高が異なる可能性があったのではないか」(日本旅行関係者)という。特に、法律施行前の段階は該当する規制もなく、社内では手作業での計上体制であった過去の段階から、システム化する時点で既にずれていたという声もある。

 なお、同社は先ごろの決算発表に伴い上場延期を発表しているが、これについて日本旅行広報室では、今回の行政処分と上場の延期は「直接の関係は無い」としている。上場を目ざすことに変わり無いとしている同社だが、今回の報告額のズレなど不明瞭な部分を全て出し切り、かつ内部統制を厳格に進めるとしている。ただし、全ての見直しを進めるには2007年の上場目標は延期せざるを得ない、という判断も一部に働いたものと思われる。

※一部、当初の表現を修正しております。(3月5日14時30分)