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自民党・観光特別委、二階氏の意向受け、観光基本法改正へ向け体制確立

  • 2005年11月1日
 自由民主党は先ごろ投票が行われた衆議院議員選挙のマニフェスト内で公約に掲げた観光基本法の改正に、「党として遅滞が無いよう」取り組む。自由民主党・参議院議員で、運輸省時代の1999年に観光部長を務めた藤野公孝氏が明らかにした。これは自民党政務調査会の観光特別委員会に「観光基本法改正プロジェクト・チーム」を今後1週間ほどで参画する議員衆参あわせ約20名を確定し発足。小委員会を2週間に1回程度で検討を進め、具体的な改正の方向性、法律の条文などをまとめる。藤野氏は私見としながら、法案の国会提出について「2年、3年先のことではない」とし、早ければ次期国会にも提出する意欲を見せ、国土交通省をはじめとした行政の力も借りる考えを示した。

 このプロジェクト・チームは第3次小泉内閣で経済産業大臣に任命され、全国旅行業協会(ANTA)会長を務める二階俊博氏が委員長を務めていた観光特別委員会で「きっちりやることを党として具体的に検討し、原動力としたい」という意向を受け、正式に発足するものだ。二階氏の入閣の可能性が高いとされていたことから、自民党内で後任を定め、明確な道筋をつけ、閣僚として活動する期間についても観光施策への配慮を示したものだろう。
 観光基本法の制定は1963年6月に東京オリンピックの開催を前に、議員立法で制定されたもの。「大学の試験問題にも出題されたことがある」(藤野氏)という観光基本法の前文では、恒久の平和、国際社会の相互理解の増進、国民の健康で文化的な生活、国際親善などを謳う法律として珍しい形態。内容としては、国際的に外国人の日本への歓迎を示すと共に、国と地方、国民の責任を明確に位置づけたもの。プロジェクト・チームでは現在、政府が推進する観光立国を地域活性化、交流の増加を観光という具体的なソフト面での効果を認識。ビジット・ジャパン・キャンペーンで2010年に1000万人を達成するには国際競争力のある観光地づくりを進める必要があるほか、さらに観光が健康、食、産業観光などと広範囲で多面的な側面を含むことも、改正に盛り込むようだ。