石川・粟津温泉「法師」の運営会社が特別清算、営業は継続

  • 2020年1月29日(水)

 東京商工リサーチ(TSR)によると、石川県小松市の粟津温泉で旅館「法師」を経営していた大阪市中央区のゼット(旧社名:有限会社善吾楼)は1月16日、大阪地方裁判所から特別清算開始決定を受けた。負債総額は約12億円。「法師」は718年から1300年以上続く温泉旅館で、1994年にはギネスブックの「世界で最も歴史のある旅館」に認定されている。

 善吾楼は1951年3月に会社設立。91年12月期にはバブル景気により売上高約22億9800万円を計上したが、以降は加賀温泉郷への客足が落ち込み、業況は悪化した。2006年12月にはノロウイルスによる食中毒が発生し、厨房施設が4日間の営業停止処分を受けた。

 設備投資などにより一時は30億円近くにまで膨れ上がった借入金の返済は滞り、信用保証協会が代位弁済を実施する一方、一部の金融機関は債権放棄に応じていた。同社はこのような状況のなか、17年5月に第二会社方式を活用した企業再生スキームを選択し、収益を見込める温泉旅館事業を新たに設立した株式会社善吾楼に移管。有限会社の善吾楼は19年9月に商号を株式会社ゼットに変更した後、株主総会の決議により解散した。なお、現在は株式会社善吾楼が「法師」の営業を継続している。

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