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HIS、不動産・ホテル運営のユニゾHDにTOB、提携申し入れも応じず

  • 2019年7月10日
 エイチ・アイ・エス(HIS)は7月10日、東京都心部での不動産事業とビジネスホテルの運営事業を手がけるユニゾホールディングス(ユニゾHD)について公開買付(TOB)を実施すると発表した。HISは昨年9月からユニゾHDの株式を市場内取り引きで取得してきており、現在は全体の4.79%の株式を保有。今回のTOBではこれを45%まで買い増すことを目標に設定している。

 発表資料でHISは、ユニゾHDとの間で将来的に緊密な協業関係を構築し、双方の利益の拡大をはかると説明。具体的には、ユニゾHDのホテルへのHISからの送客や、ホテルの海外展開の支援などを念頭に置いているほか、逆にHISが実施する不動産の調達、建設、既存不動産の保守や管理などについてユニゾHD側のノウハウや経験を活用することも検討している。

 また発表資料では、HISが昨年12月中旬から今年4月中旬にかけ複数回にわたって資本提携を含めた業務提携の可能性について協議を申し入れたもののユニゾHDが応じなかったため、今回のTOBにより提携実現に向けた強い意思を示す考えであるとも言及している。

 45%に留めた理由は、TOB後もユニゾHDのブランドを活用するとともに経営の独立性を確保でき、一方で本格的な協議に入るために株主として十分な影響力を持つこと、そしてユニゾHDの事業の詳細な分析ができていないために連結子会社化の判断ができないことという。

 なお、TOBの実施期間は7月11日から8月23日まで。買い付け価格は1株あたり3100円で、現在の保有株式との差である40.21%分、1375万9700株をすべて取得すると合計額は426億5507万円となる。TOBの成立後は、取締役の派遣を検討しているが人数は未定としている。また、成立後の具体的な経営方針と経営体制についても、経営陣との協議のうえで決定するという。