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週間ランキング、1位はJALの「ジップエア」、韓国でもLCC3社が認可

[総評] 今週の1位は、日本航空(JL)が詳細を発表した新LCC「ジップエア」についての記事でした。先々週も1位になっていましたが、個人的には少し意外なほどの注目度です。確かに太平洋横断路線にも意欲を示されるなど目新しさはあるものの、座席構成もサービス概要もほぼ明らかにされていないなかでは静観するほかありません。

 「座席は良いものを選び、座席配置には相当ゆとりがある」という西田真吾社長のご発言と、いわゆるLCCのビジネスモデルは一般論として相容れません。「相当ゆとりがある」の相当がどの程度かにもよりますが、良いものをほどほどのお値段で、というのは現在のスカイマーク(BC)のポジショニングとかなり近く、そうなってくるとLCCとはなんぞやという話になります。(そしてそうなれば、かなり以前から私が当欄で主張している「LCCは名乗った者勝ち」説の論拠がひとつ増えることになるのではないかとも思います。)

 折しも、今週第5位の通り韓国では新たに3社のLCCに免許が与えられており、もはや昨今はLCCといってもなにも珍しくなくなっています。コモディティ化の進行とともに海外では「ウルトラLCC」なる会社まで登場する始末で、その次は「スーパー」か「ハイパー」かと冗談を言いたくなってしまいますが、LCC業界で差別化しながらしっかり儲ける(しかも中長距離で)というのはそう簡単ではないでしょう。

 とはいえ、海外メディアの情報をチェックしていると、かつてはワンワールドの盟友であるカンタス航空(QF)が画策したジェットスター香港に猛反対して断念に追い込んだこともあるなどLCCとは縁遠かったキャセイパシフィック航空(CX)が、経営難の海航集団(HNA)からの香港エクスプレス(UO)買収を検討しているという話題も目にするところで、それだけLCCの経営はFSCにとって可能性ありと見えるのかもしれません。

 ところで、ウルトラだハイパーだと書いていて、スマートフォンなどで遊ぶソーシャルゲームでキャラクターの希少度を表す「SR(スーパーレア)」や「HR(ハイパーレア)」といったランクづけのことを思い出してしまいました。

 一時期、今思い出してもなぜかわからないほどとあるゲームにのめり込み、余暇時間のかなりを注いで若干の課金までしていたことがあります。ある時に思い切ってアプリを消してからは平穏な毎日を取り戻しましたが、ソーシャルゲームのテレビCMなどを見ると当時の射幸心がフラッシュバックしてきて恐ろしくなります。人様の仕事を悪く言うのは気が引けるものの、当時の私が投じた時間と金の代わりに手元に残っているものは教訓くらいで、そういった世界に比べると旅行というのはつくづく素敵な商売だと思います。

 ちなみに、話がそれたついでに書いておくと今はMicrosoftが提供しているソリティアのアプリを入れて頭の体操程度に遊んでいるのですが、表示される広告が他のアプリとは異なっている気がしており、具体的には、レクサスなどもっと金銭的に余裕のある層が見た方がいいようなものや、あるいは子どもの教育に関わる内容が多い印象です。(我が家には子どもがいませんので普段はそういった検索や閲覧をしておらず、必然的にインターネット上のインタレストマッチ型広告ではそういった内容はほぼ出てきませんし、レクサスも他では見た記憶がありません。)

 もしかすると「Windows95などでソリティアに親しんだ層は何歳くらいで、きっとインターネットに黎明期から親しんでいるから所得も高いはず」というような仮説でもあるのではないかと感じており、逆にいえばマーケティングプランを組み立てるような際にはそういった発想で物を見る方法もあるのかと面白く思っています。(松本)

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