Airbnb、違法物件排除へ、届出番号など必須に-新法施行で

  • 2018年3月14日

(左から)田邉氏、レヘイン氏、山本氏  Airbnbは3月14日、都内で記者会見を開催し、住宅宿泊事業法(民泊新法)が6月15日に施行されることに合わせて、違法な物件の情報を掲載しない方針を発表した。施行を前に3月15日からは、民泊ホストが提供する物件の届出申請と登録が始まるが、同社のウェブサイトに物件を登録する際に使う「ホスティングダッシュボード」のページを更新し、登録時に民泊新法に基づく届出番号または旅館業法に基づく営業許可、特区民泊の許認可の記入を求める。

 Airbnb Japan公共政策本部長の山本美香氏は「6月14日までにこれらの許認可が確認できない場合、15日以降は非掲載扱いとする」と明言し、物件情報を紹介するリスティングページから削除すると説明した。その結果、15日以降に同社のリスティングページに掲載されるすべての物件には、届出番号や旅館業の営業許可などに関する情報が表示されることになる。

 民泊新法の施行に伴う制度面やビジネス面の変化についてAirbnb Japanの田邉泰之代表取締役は、「民泊の法的根拠が明らかになり、むしろ新しいホストの参入が増えると期待している」と説明。また「クリーニングやコミュニケーションなどを支援するパートナー企業と連携し、ホストに対するサポートを強化して参入を促す。現在は東京・大阪・京都に物件が集中しており、それ以外の地域ではまだまだ伸びる余地がある」と語った。

 なお、Airbnbで予約できる国内の物件数は2月1日時点で約6万2000件あるが、これらのうち違法物件が何件あるのか、民泊新法の施行で何件程度の離脱が予想されるのかについては、明らかにしなかった。

▽遵法の姿勢を強調-アクティビティ提供も強化

 記者会見にはAirbnb本社から、グローバルポリシー&パブリックアフェアーズ(公共政策)最高責任者のクリストファー・レヘイン氏も参加。「日本の政府や各自治体と協力し、すべての法律・条例に準じた対応を進め、プラットフォームとしての責任を担っていく」と遵法の姿勢を強調した。

 また、成長戦略についても触れ、今夏からは別荘のバケーションレンタルやブティックホテル、ツリーハウスなどを含むユニークな物件の取り扱いを開始し、利用者数の拡大をはかる考えを示した。あわせて、これまでは宿泊場所の提供にとどまっていたが、「体験(エクスペリエンス)」として提供する現地アクティビティの提供にも力を入れる方針を説明。同氏によれば「日本は世界でも最も『エクスペリエンス』が成功している地域で、民泊よりも成長率が高い」といい、今後は世界各地で「エクスペリエンス」の展開を強化する考えだ。