JTB西とシャープ、モバイル型ロボット「ロボホン」で京都ツアー

  • 2017年12月10日

(左から)JTB西日本の北村氏、シャープの景井氏  JTB西日本は12月15日から、エースJTBで、シャープ製のモバイル型コミュニケーションロボット「RoBoHoN(ロボホン)」を活用した首都圏発着ツアー「RoBoHoNと行く『ロボ旅』(京都)」の販売を開始する。ツアー参加者にロボホンを貸し出し、ロボホンがガイドとして京都の観光名所を説明するもの。ロボット工業会の「平成29年度ロボット導入実証事業」として、シャープやロボホンの企画とプロデュースを手がけるゲン社と協業して取り組む。ロボットクリエーターの高橋智隆氏が監修する。

 JTB西日本執行役員法人営業大阪支店支店長の北村豪氏は、12月8日に開催した記者会見で、「ロボット産業の市場規模が拡大していくなか、旅行にコミュニケーションロボットを導入することで、新しい旅の価値を提供していく」と説明。ロボットを活用した新しい「タビナカ」サービスを拡充し、交流人口の拡大や地域の活性化に寄与する方針を語った。

RoBoHoN(ロボホン)  「ロボ旅」の参加者は、「関西ツーリストインフォメーションセンター京都」でロボホンを受け取り、京都の街を散策する。ロボホンには、清水寺から円山公園にかけての東山エリアにある約100ヶ所の観光地の情報が入力されており、位置情報や施設に設置されたビーコン(電波発信器)に反応し、観光名所の案内、店舗や順路を説明する。加えて、同事業に協力する20店舗の紹介もおこなう。

 このほか、京都市内の飲食店や体験施設4ヶ所にもロボホンを設置。日本語、英語、中国語の3ヶ国語でサービスや商品案内をするほか、多言語翻訳機能によって訪日外国人旅行者の対応も実施する。

 シャープIoT通信事業本部コミュニケーションロボット事業統括部市場開拓部部長の景井美帆氏は、ロボホンについて「感動を共有し、心を通わせながら一緒に旅ができる新しいパートナー」とコメント。ビーコンによる誘導で、「点」ではなく「線」による観光案内が可能になることを説明し、「タビナカの価値向上に最適」と強調した。

 今回の実証事業では予備も含めて15台のロボホンを用意。1日6台の利用を想定しているという。旅行者から保証金などは徴収しない。なお、ロボホンでは写真撮影も可能だが、クラウド上でのバックアップはおこなわない。返却時にすべてのデータを消去するため、旅行者自身でバックアップをとる必要がある。

 実証事業後は、京都に加えて他の地域での本格的なサービス展開を検討。事業者向けにはインバウンド需要に対応する多言語サービスも提供する計画だ。

 ツアーは2018年1月5日から3月30日出発で、1泊2日または2泊3日。旅行代金は東京都発着の往復新幹線普通車指定席利用、京都タワーホテル3名1室利用の場合、大人1名あたり2万4800円から3万3800円とした。