国交省、バス事故検討委が中間整理-処分強化など検討継続

  • 2016年3月29日(火)
左から国土交通大臣の石井啓一氏、委員長の山内弘隆氏、委員長代理の酒井一博氏  国土交通省の「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」は3月29日、今年1月に軽井沢で発生したスキーバス事故を受けて検討した再発防止策について中間整理をまとめ、国土交通大臣の石井啓一氏に手交した。石井氏は「今回のバス事故の原因は未だ究明中だが、2012年の関越自動車道で起きた高速バス事故以降、安全対策を強化していたなかでの悲惨な事故ということで、深刻に受け止めている」と述べ、「実施可能な施策は速やかに実行に移し、安全対策に万全を期していきたい」と意欲を示した。

 同委員会は日本バス協会、日本旅行業協会(JATA)、全国旅行業協会(ANTA)、消費者団体の代表、大学教授などで構成する会議体で、1月29日に第1回会合を開催。3月29日までに計7回の会合を開催し、「旅行業者を含めた安全確保のための対策の強化」「事業参入後の安全確保についてのチェック」「運転者の運転技術などのチェックの強化」など5つの項目について「速やかに講じるべき事項」「具体化をはかるべき事項」「引き続き検討すべき事項」をまとめた。

 このうち旅行会社に関係する安全強化策については、2月19日の第3回会合で議論。各種の施策のうち速やかに講じるべき事項として、パンフレットなどに貸切バスを運行する会社の名前を掲載すること、旅行会社と貸切バス会社が取り交わす契約書の様式に運賃や料金の上限・下限額を追加すること、契約書などの取引時に手数料などの額や率に関する書面を取り交わすこと、運賃や料金に関する通報窓口を国土交通省内に設置すること、旅行業界とバス業界が共同で独立性の高い通報対応組織を設置することで合意した。いずれも今夏を目途に、通達や省令の改正などをおこなう。

 貸切バス会社の安全情報提供の仕組みの構築、車体などへの先進安全技術の搭載状況の表示、JATAとANTAなどが定めた「安全運行パートナーシップガイドライン」の改訂などについては、具体化に向けた検討を進める。また、違反のあった旅行会社への行政処分の強化や、ランドオペレーターへの罰則を含む対応などについても、引き続き検討を進めるとした。

 同省ではそのほかの緊急対策として、今月にはウェブサイトで公表している貸切バス事業者の処分歴の更新頻度を増加。より手軽な閲覧に向けてスマートフォン用サイトも開設した。また、貸切バス事業者約1000社に対して旅行会社との取り引きに関するアンケート調査もおこない、実態の把握に向けた取り組みを進めている。

委員長の山内氏  委員長を務める一橋大学大学院教授の山内弘隆氏は会合の終了後に記者団の取材に応え、今回の中間整理を「(わずか2ヶ月間で)スピード感をもってまとめた」と振り返った。今後は総合的な対策についても取りまとめをおこなう予定。同氏は「検討すべきもののなかには法改正も含まれるので、精査していきたい」と語った。

 同氏はそのほか「バスについてはかなり法制度や仕組みができているが、どのように守っていただけるかが重要」とコメント。検討委員会でも事業者などに対する措置の効果や影響を客観的に分析する必要があるとの意見が挙がったと伝え、「効果などを客観的に見据えながら、事務局とともに次の取りまとめをおこないたい」と語った。

 同委員会は4月以降も関係者との調整を進めながら検討を続け、今夏を目途に総合的な対策について取りまとめをおこなう予定。

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