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データベースの著作権侵害 ブロードリーフの訴え、知財高裁が認める

 旅行業者向け業務用ソフトのデータベースを違法コピーし著作権を侵害しているとしてブロードリーフ(大山堅司社長)がアゼスタを訴えていた問題で、このほど、知的財産高等裁判所がブロードリーフ側の主張していた著作権侵害について全面的に認めた。アゼスタ側は判決を不服とし、最高裁判所に上告した。

 訴訟は、ブロードリーフの旅行業者向け業務用ソフト「旅行業システムSP」のデータベースをアゼスタが違法コピーし「旅nes Pro」を作成したとして著作権侵害を訴えていたもの。2014年3月、東京地方裁判所はアゼスタのデータベース22個のバージョンのうち21個のバージョンについて著作権侵害を認めた。アゼスタに対して複製・頒布などの差し止め、データベースを格納した記録媒体の廃棄・記録内容の消去、損害賠償金総額約1億1215万円と遅延損害金の支払いを命じた。

 その後、ブロードリーフ、アゼスタ側ともに知財高裁に控訴していた。

 同高裁では今年1月19日の判決で、一審で認められなかったバージョンを含む22個すべてのバージョンについてアゼスタの著作権侵害を認定し、一審判決を大きく上回る損害賠償金約2億1473万円の支払いを命じるなど、ブロードリーフ側の訴える著作権侵害を全面的に認めた。知財高裁が業務用データベースに関して著作権侵害を認定した判決は今回が初めて。

 ブロードリーフの大山社長は「コピーされた後のデータ更新や改変により侵害認定が困難となる業務用データベースに関して、著作権侵害を認めた画期的な判決です。我々情報システム業を営むものにとって過去に例のない極めて重要な事例となったのではないか」と評価。その後のアゼスト側の上告に対しては、同社では「上告審では、法律問題に関する審理を行い、原則として現判決で認定された事実に拘束されるので、アゼスタの著作権侵害の判断が覆ることはないと考えている」としている。

 (16/03/11)


情報提供:トラベルニュース社