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訪日1300万人、22日前後に達成-久保長官、15年は地方誘客強化

  • 2014年12月17日

 観光庁長官の久保成人氏は12月17日の専門誌会見で、2014年の訪日外客数について、1300万人を超える見通しを示した。12月22日前後に1300万人を達成する予想。達成時には「国内の受入をしっかりするとともに、インバウンドへの取り組みの一層の向上をめざし、機運を盛り上げるためにイベントを実施したい」考え。詳細は今週中にも発表する予定だ。

 日本政府観光局(JTNO)によると、1月から11月の訪日外客数累計(推計値)は28.2%増の1217万7500人。市場別では中国、台湾、香港、タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、フランス、ドイツの11市場で、既に年間の過去最高を上回っている。最も多かったのは台湾の261万7700人で、27.0%増。久保氏は「ある国・地域からこれほどの人数が来たことはかつてないこと」と喜びを示した。また、韓国は9.3%増の248万4400人、中国は82.2%増の221万9300人と200万人超えとなっている。

 さらに、ヨーロッパや北米が好調に推移しており、ヨーロッパは主要市場の英国、フランス、ドイツで50万100人と初の50万人超え。北米は米国とカナダで98万3300人で、14年累計では100万人を超える見込みだ。このほか、東南アジアも訪日ビザ緩和などで引き続き好調だという。

 なお、11月単月は39.1%増の116万8500人(推計値)で、1月の41.2%に次ぐ伸び率となった。主要18市場のうち英国、ロシア以外の16市場で11月単月として過去最高を記録した。

 久保氏はこうした増加の理由として、円安による割安感、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催決定による国際社会での認知度向上と訪日機運の高まり、訪日ビザ緩和、継続的な訪日プロモーションの4点を挙げた。特に訪日プロモーションでは、春の桜、秋の紅葉をアピールし、夏に集中していた訪日需要が分散されてきたとの考えだ。

 2015年については、年間を通して訪日外客が訪問するよう、訪問時期の分散化に引き続き取り組むとともに、日本の各地方への訪問地域の分散化もはかっていく。久保氏はまだ訪日外客の訪問がそれほど多くない地域の情報発信を強化するとともに、市場特性に合わせて地方の魅力を訴求していきたいと語った。

 久保氏は例として、韓国に対しては距離的に近い九州をアピールするなど方法があると説明。九州は九州観光推進機構が九州全体を「温泉」としてまとめてプロモーションしていく方針があるとし、こうした地方自治体の自主的な取り組みを歓迎するとともに、観光庁としても支援していきたいと語った。