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【コロナに負けず】宿泊客を呼び込むマーケティングとは-micado代表取締役副社長の渡邉氏

ブランディングを軸に直販強化
GoToトラベルはリピーター化のチャンス

渡邉氏(写真提供:micado)

 コロナ禍で国内旅行需要が大きく落ち込むなか、政府は10月1日からGoToトラベルキャンペーンの対象に東京都民の旅行と東京都を目的地にする旅行を加えるとともに、旅行代金の15%相当を「地域共通クーポン」として付与する取り組みを開始した。宿泊需要の回復に期待がかかるなか、「デジタルマーケティングで集客方法を変えていかなければ」と話すのが、宿泊施設向けにマーケティング・コンサルティング事業を展開するmicado代表取締役副社長の渡邉典史氏だ。同社で集客戦略を担当する渡邉氏に、宿泊施設が取り組むべき方策などを聞いた。インタビューは9月25日に実施した。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

-まずは会社を立ち上げた経緯をお聞かせください

渡邉典史氏(以下敬称略) もともとデジタルマーケティングの会社に対し、サービスの割に料金が高く、お客様に対しフェアじゃないと感じていた。ウェブ業界の会社に勤めていた時、同僚にmicado代表取締役社長の田代貴彦がいた。仲良くなっていろいろ話すうちに、2人で起業することで1社でも多くの企業に対し、フェアな価格で売上目標の達成をコミットしたいと考えるようになった。2人とも若く、お金を稼ぐよりもまずはいろいろ経験したいという思いもあった。こうして会社の設立を決め、2019年12月にmicadoを設立した。

 micadoではデジタルマーケティングのコンサルティングとウェブサイトの分析、集客支援サービスなどを展開していており、主なターゲットはホテルと旅館だ。このため新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は大きく受けた。中止なった案件もあったが、ゴールデンウィーク後から少しずつ案件が入り始めている。

-ターゲットをホテルや旅館にしたのはなぜですか

渡邉 もともと旅行が好きで、大学生時代には約50ヶ国に足を運び、ネパールでは起業した。旅人と交流できるゲストハウスが好きだったので、帰国後にゲストハウスで働き始めた。その後、宿泊施設の運営やマネジメント、ホテルの創業などを手がけるうちに、ホテルでお客様に快適に過ごしてもらうための工夫や、集客方法を考えることに魅力を感じるようになった。

 一方田代も旅行が好きで、フィリピンで起業した経験もある。2人とも「旅行をするなら宿泊施設で良い体験がしたい」という思いがあり、ホテルや旅館をターゲットにすることを決めた。