「マイナビBTM」始動、国内出張に革命を-グループの顧客もターゲット

ストレスフリーな出張を常識に
海外版も近く公開

マイナビ トラベル情報事業部事業部長の三森一将氏

就職や転職などの人材関連事業で広く知られ、「マイナビトラベル」ブランドの旅行サイトも運営するマイナビが、昨年新たに「マイナビBTM」のサービスを開始。国内の出張手配や精算、経費管理などのプロセスを一括しておこなうBTMサービスを提供する。同社トラベル情報事業部事業部長の三森一将氏は「国内出張にもBTMを取り入れることでストレスフリーな出張を実現し、それが常識となるように変えていきたい」と意気込む。

「マイナビBTM」のサービス開始に至る経緯を教えてください

三森一将氏(以下敬称略) マイナビは、人材系と生活情報系の2つのサービス領域で事業を展開してきたが、生活情報系サービスの拡充の一環として16年6月に国内旅行サイトの「マイナビトラベル」を開設。いわゆる“場貸しサイト”を運営するOTA事業を、第2種旅行業として展開してきた。現在、約50名が運営に当たっている。

 サービス内容は、消費者向けレジャー旅行と法人向け国内出張旅行の2つで、いずれも自社で仕入れた宿泊在庫を販売している。法人向けは「MOCA(法人専用宿泊予約サイト)」という名称でサービスを提供しており、無料でありながら割引料金を利用でき、後払いも可能であることから法人顧客は約2600社にまで広がっている。

 MOCAでは、法人顧客が増えるのに伴って様々な要望が届き、それに対応してサービス内容を段階的に拡充してきた。例えばMOCAは当初、宿泊のみの取り扱いだったが、顧客企業側から「移動の手配もできないか」といった声が多かったため、新幹線や飛行機といった交通機関の取り扱いも開始した。

 そして、企業側の要望が出張手配に関するサービスだけでなく、出張管理にかかわる分野に多く存在することも見えてきた。そこで新たなブランド「マイナビBTM」を昨年11月に立ち上げて、MOCAとは異なるサービスの提供を開始した。

「マイナビBTM」の基本的な考え方は

三森 国内出張を変えたいとの思いがある。国内出張にもBTMを取り入れることで出張にまつわるストレスをなくす。ストレスフリーな出張を実現し、それがビジネスにおける常識となるように変えていきたい。

 現在の国内出張の実情を見ると、OTAでホテルを探し、予約することで得られるポイントの多寡まで比較する。あるいはクオカード付きのプランを優先してみたりもする。しかしそうした選び方があるべき方法なのか、必要な選び方なのか。本来は仕事の成果を上げるための出張ではないのか。そんな疑問がある。

 出張の後処理も負担が大きい。出張者自身が経費を立て替えて、明細書を起こして領収書を貼り付けて精算する。この手間を省けば処理作業の大幅な時短も可能だ。国内出張の回数の多さを考えると、壮大な無駄が存在していることになる。ここを変えていきたい。

 出張者が現金を持たずに出発してもキャッシュレスで決済し、出張者本人は出張するだけ。それで精算まで完了する。出張者は何の不安もなく本来の仕事に専念できる。管理者側にとっても完全な透明化が実現できて内部統制も強化される。最終的にはそんな出張を実現したい。