2000万人が達成目前、今後のアウト振興は-奈良参事官に聞く

海外OTAや取引適正化、業法改正についても
「私のなかで一貫している姿勢」とは

  • 2019年11月11日(月)

奈良氏  今年4月に、観光庁でアウトバウンドを含む旅行振興政策の企画・立案に携わる要職の旅行振興担当参事官に、元政策統括官付政策評価官付政策評価企画官の奈良和美氏が就任した。同庁によれば女性の就任は初めて。「私自身も旅行が大好きで、海外旅行から学べることは多いと思う」と話す奈良氏に、着任からこれまでの半年を振り返ってもらうとともに、アウトバウンド振興施策の進捗や年間出国者数2000万人達成後のビジョン、OTAを含む旅行業者に関する諸問題への対応について聞いた。

-参事官に就任されてからの半年を振り返って、所感をお聞かせください

奈良和美氏(以下敬称略)  旅行振興担当参事官として海外旅行と国内旅行の両方の促進に関する施策を担当していますが、業務における割合はアウトバウンドに関するものの方がやや多い印象です。私自身も海外を旅することが好きで、旅から学ぶことは多いと思います。文化の違いを体験したり、日本を見直したりする良い機会になるので、特に若者にとっては大切なことだと考えています。

 日本の成長戦略の1つとして観光産業の振興が位置づけられているなか、インバウンドに関する政策に注目されることが多いですが、観光庁長官(の田端浩氏)も私も、持続的に日本の観光を発展させていくためには、アウトバウンドを含む双方向交流の促進が重要と認識しています。両方に共通する施策として注力しているのは休暇改革で、関係省庁とともに「休み方改革チーム」を立ち上げて取り組んでいるところです。

-アウトバウンド振興に関する各施策の進捗状況をお聞かせください

奈良 若者のアウトバウンド活性化については、昨年の7月に「若者のアウトバウンド活性化に関する検討会」で最終とりまとめを行い、今年1月には官民共同による「若者のアウトバウンド推進実行会議」を立ち上げ、4月からこの実行会議」の主催による「ハタチの一歩 20歳初めての海外体験プロジェクト」の募集を開始しました。今年の10月から12月にかけて約200名を無料で海外旅行に送り出す予定で、延べ2400人以上の応募があったと聞いています。今年の成果を活かして、来年度以降も応募者を増やしたいと考えています。

 教育旅行については20年度の観光庁予算として「教育旅行を通じた青少年の国際交流の促進」を要求しています。ある高校の校長先生が「生徒たちが将来、国内の感覚だけで世界と渡りあえるとは思わない。高校生のうちに海外を体験して、自分で勉強できる環境を整えることが私にできる最大のこと」と仰っていましたが、海外旅行は旅行市場にとって重要なだけでなく、教育の効果も高いです。

 また、今年8月に開催された日中韓観光大臣会合では、中国から「次世代の交流をもっと進めたい」という話がありました。インバウンドとアウトバウンドの差が拡大している中国と双方向交流のバランスを取る上でも、青少年の教育旅行は貢献できると思います。

ヴァージン・オーストラリア航空
ビズリーチ

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