itt TOKYO2024
itt TOKYO2024

トップインタビュー:エアアジア・ジャパン代表取締役社長兼CEO 小田切氏

  • 2013年2月28日

中部第2拠点化で路線拡充
販路拡大で認知向上へ

 2012年12月17日付で、エアアジア・ジャパン(JW)の代表取締役社長兼CEOに着任した小田切義憲氏。1987年に全日空(NH)に入社し、運航管理部門や空港でのオペレーション部門などを経て、2011年8月からアジア戦略室副室長としてJWの設立に携わってきた。JWでは取締役兼オペレーション部門統括責任者兼安全統括管理者を担当。今後はオペレーション部門での経験を活かしていきたいという小田切氏に、同社の戦略を聞いた。


-就任から2ヶ月が立ちましたが、市場を振り返っての所感をお聞かせください

小田切義憲氏(以下敬称略) JWは国際線として、2012年10月末に成田/仁川線、11月末に成田/釜山線を開設した。日本発の旅行需要が低い下期に開設したため、ロードファクターは若干低めに始まったが、クリスマスと年末年始もあり、11月末から2013年1月は比較的よかった。

 仁川のロードファクターの平均は当初の目標値に極めて近いところまであがってきており、需要の太い路線という感触を持っている。釜山は知名度の問題からか、もう少し努力が必要だ。韓国は竹島問題があるが、お客様レベルの影響で見るとそれほど顕著なものとしては現れていない。航空会社にとってイベントリスクは大きく、我々が予想しない環境変化に翻弄されることもあるが、当然起きうることだ。今も常に状況をモニターし、路線展開を考えていきたい。

 一方、国内線は路線によりロードファクターにばらつきがあるため、改善していく努力が必要だ。現在成田から新千歳へ3便、福岡へ2便、沖縄に1便就航しており、その順番でお客様のロードファクターは高い。選択性や利便性の影響によるものだと考えている。


-今後の路線展開についてお教えください

小田切 路線展開では成田と中部を両立させていく。成田は、今後発着枠が30万回まで拡大されるので、我々にとって便の張り方も変わるし、今よりもスロットの取得が緩和されるだろう。路線展開をどんどん進めていきたい。

 その一方で課題もある。我々はLCCとして、1機の飛行機を極力長く飛ばし、稼働率を高めて収益をあげるモデルを展開している。成田の6時から23時までという限られた運用時間では、1日6便しか飛べない。成田から1時間以内の良い路線があれば、短時間でターンアラウンドして8便飛ばす方法もあるが、近距離の仙台、新潟などはビジネス的に厳しく、現在は6便が限度。そのなかでどう展開していくかが今度の課題だ。

 また、ネットワークキャリアではないため、他社とのコードシェアや、エアアジアグループと乗り継ぎを考えての路線展開やスケジュール調整は特に考えていない。お客様自身で調整し、選んでいただければと思っている。エアアジアX(D7)が就航している羽田については、発着枠が拡大しチャンスがあるのであれば、様子を見つつ、可能性の一つとして考えていきたい。