インタビュー:日本旅行 西日本海旅商品部部長兼営業本部担当部長の黒田氏

  • 2011年4月18日(月)
コンサルティング力で「ファンを作る」営業を

 「安いですよ、だけでは旅行会社ではない」と、日本旅行の西日本海外旅行商品部兼西日本営業本部営業推進本部担当部長である黒田満之氏は語る。首都圏に比べ、価格に対してよりシビアと言われる関西市場だが、日本旅行は無茶な価格競争ではなく、コンサルティング機能を強化した「お客様に直接相対することで、選んでいただける会社になること」をめざす営業を展開しているという。JR西日本の主要駅への店舗展開が強みだ。関西市場の特徴とともにニーズに敏感に対応する営業戦略と商品企画の方向性を聞いた。

※インタビューは東北地方太平洋沖地震発生前の2011年2月下旬に実施しました


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−まず関西市場がどういう状況にあるか、ご見解をお聞かせください

黒田満之氏(以下、敬称略) 2005年をピークとして、それ以降は下降を続けている。経済状況や新型インフルエンザなど、外的な要素は関西だけのことではないが、関西ではロング方面が非常に売りにくくなっている。座席の供給量がかなり減ってきていることが関連している。航空会社が関空からの便数を絞らなければならなかった理由として、やはり関西では東京に比べてビジネスクラスなど航空会社にとって収益性の高い座席が売りにくいということがあると思う。

 しかし、ビジネス渡航の市場は東京に比べれば小さいが、観光需要のことだけを見れば戦い方はあると思っている。各社それぞれに特徴があると思うが、日本旅行の場合はJR西日本の主要駅に支店がある恵まれた販売ネットワークを持っているので、そこをどう生かすかだ。それは、お客様と相対して、しっかりとコンサルティング型の事業を確立すること。お客様に来ていただける環境作りをしていくことだ。

 例えば、JR大阪駅構内のTiS大阪支店がこの春、リニューアルオープンする(注:リニューアルオープン日は4月9日/編集部)。店舗面積がかなり広くなるので、セミナールームを作ったり、イベントスペースを作ったりして、お客様に来店いただける店作りとする。そこで、お客様と相対し、私どものファンを作っていくことで事業拡大をしていくことが、私たちの最大の戦略だと思う。

 このやりかたは、対面販売とは別の形で販売をしようというインターネットの時代の流れにある意味逆行していると捉えられるかもしれない。もちろん、インターネット販売の拡大は重要であり、今後当社の中核事業としていく分野と捉えている。しかし、それだけでなく、我々総合旅行会社の存在意義はリアル店舗にこそあると考える。自分や周囲の経験などから見ると、やはり、旅行会社として店舗において情報と知識・ノウハウをきちんと取り揃えていて、お客様に対して安心感をしっかりと提供できることこそが、旅行業界で生き残っていくための根本なのではないかと思う。


−「コンサルティング型の営業戦略」をもう少し具体的にお話ください

黒田 旅行商品は、価格競争をせざるをえない。しかし、価格だけでなく企画性など中身を充実させることが、コンサルティング型の戦略で生き残ろうとすることとマッチする。素材を羅列して、値段の安さだけをいうなら、旅行会社でなくてもできるのではないか。旅行会社として本来あるべきものをしっかりやっていくことが基本にある。マーケットと需要に合わせた値段競争はするけれど、あくまで品質と内容で勝負するという基本を最重要視するということだ。

 実は、この戦略のきっかけとなったのは、新宿支店のヨーロッパプラザだ。ここは空中店舗だが、大きな成功をおさめた。それを受けて、地の利の良いところではより大きな成果を見込めると考え、1年半ぐらい前から関西でも取り組みをはじめた。今はTiS大阪支店に加え、三宮、京都、天王寺エリアの支店を拠点に展開し、お客様の来店増加に繋がっている。

 リニューアルオープンするTiS大阪支店は弊社で最大規模の基幹店舗である。ここで成功すれば、リアル店舗の成功モデルとして展開できると思う。まずはヨーロッパ。そしてその後は北米地域、それからオセアニアというように、ロング方面で情報が少ないわけではないが、お客様が行くのに少し構えてしまうような場所からはじめていきたい。


−今までは「売り方」の面からのお話をうかがいましたが、商品という面ではいかがでしょう

黒田 コンサルティング型の営業は人件費などを含め、それなりにコストがかかる。そうなると薄利多売ではやっていけない。商品に付加価値をつけ、現場の販売額を上げて、手数料もしっかり取り、利益を稼ぎ出す商品を作ることが大事になる。なおかつ、弊社ならではの素材をどう入れていくのかだ。

 旅行業界の常として、弊社ならではの商品が未来永劫続くことはない。必ず他社も出てくる。しかし、どれだけタイムリーに、その時にあったものを入れていけるかがポイントだと思う。例えば、もう何年も前のことになるが、ヨーロッパでアウトレットモールを訪れるコースを最初に取り入れたのは日本旅行だった。また、フランスでモンサンミッシェルを訪れるのが今、トレンドになっているが、そこに泊るツアーをいち早くとりあげたこともある。小さなことだが、その積み重ねが付加価値になっていく。市場のニーズに敏感に、ということだ。

 まだ成功というには早いが、ここ半年ほど「週末トラベラー」という特別な商品を打ち出し、非常に注目を浴びている。働く女性で休みを取りにくい方に週末旅行をお勧めすると同時に、ビジネス客が多くホテルがとりにくいような都市でも、週末なら部屋を押さえられて料金も下がるというメリットがある。そういったメリットを生かした商品をここ半年ぐらいプロダクトアウトの形で出している。香港、シンガポールや韓国、マカオなどのラインアップがある。


−関西圏の空港について、航空行政へのお考えや期待などをお聞かせください

黒田 当初の関空のハブ化をしっかりやってほしい。あくまでも海外担当である私の見方だが、ハブ化が実現していれば、関空からこれだけ航空会社が撤退することは無かったかも知れない。今後、インフラが整備された中で伊丹、関空一体化運営が出来れば大いに期待出来る。例えば、大阪府知事がおっしゃっていたような両空港を結ぶリニア鉄道が出来たりすれば本当に面白いと思うが・・・。

 一方、伊丹から羽田は非常に便利なので、羽田への期待は大きい。今は羽田へ行って、そこからバスで成田へ行くという不合理な状況もあるが、羽田から直接国際線へという期待はとても大きい。その意味において、関西にいる私たちでも、羽田発国際線は魅力的である。しかし、今は発着時間帯が関西からのお客様の便接続に合わない。この問題が解決すれば利用が広がっていくだろう。しかし、もちろん、一番好ましいのは関空からの直行便だ。やはり関空から直接外国へ出ていくのをお客様も我々も一番に望んでいる。


−九州、中国地方はチャーター利用が多いという印象ですが、御社の関西でのチャーター便のご予定はいかがですか。また、今後の市場の見通をお聞かせください。

黒田 チャーター便は今後もやっていく。絶対数を増やすため、ある程度のリスクがあっても、お客様が行きやすい日にチャーターを扱っていく。今年はチャーター便を増やす考えで、特にヨーロッパ方面へ、夏のシーズンで2000席程度のチャーターを予定している。昨年はスイスだけだったので、今年は10倍ぐらいに増やすことになる。

 希望的観測を含めてだが、関西の市場が縮小することはないだろう。関西の需要全体を底上げする努力はしていかなければならないのだが、日本旅行としてはやはり「お客様に選んでいただける会社」になっていくことをめざして、今後も取り組んでいきたい。


−ありがとうございました
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