インタビュー:海外・旅の専門店連合会会長 椿敬氏

  • 2010年6月30日(水)
地上手配力と専門性が強み
業界活性化へ人材育成も


 1999年3月の設立から10周年を迎えた海外・旅の専門店連合会(旅専)。地域・テーマに特化した専門旅行会社の組織として、現在17社がメンバーに名を連ねている。今年度からは、旅専のなかに新たに3つの委員会を立ち上げ、積極的な活動を展開していく。旅行業界にとって厳しい状況が続くいま、専門家集団が集まる意義は何か。新しく会長に就任したフィンコーポレーション代表取締役の椿敬氏に聞いた。(聞き手:本誌 秦野絵里香、構成 江藤詩文)
                      
                        
−新しく会長に就任されての意気込みをお聞かせください

椿敬氏(以下、敬称略) 旅専を設立した意義や理念、目的は、設立した10年前から現在まで変わらない。私は次の10年へ向けて、粛々とそれに取り組むだけだ。旅専は、これからも地域やテーマに特化した専門旅行会社として、ホールセラーでは行き届かない専門性の高い商品を旅行者に提供していく。

 私は、素材をどう選んで組み立てるかといった「商品造成力」から緊急時対策までの「地上手配力」が旅行商品のエンジンであり、もっとも大切だと考える。他社にはまねできない強力な地上手配力が旅専メンバーの強みであり、コミッションビジネスに頼れなくなったいま、生き残る道へつながると考える。


−専門旅行会社が集まることによるメリット、デメリットはどこにあるのでしょう

椿 旅専の場合、顧客はリピーターがほとんど。旅行に行ってよかったと感じた旅行者は、また旅に出る。このとき旅専内で相互に紹介できる。旅専のメンバーは、それぞれ専門地域やテーマが異なるため、バッティングすることがなく、競争原理が働かないからだ。

 また、イベントを開催したり、パンフレットを作成したりといったピーアール活動が、1社でするよりも大規模に展開できる。数社が集まってオフィスを構え、受付や会議室も共有できる。もちろん、これらはコスト削減にもつながる。

 デメリットは特にないが、旅専の強みである地上手配力を持った人材を育て組織化するのが難しい。人材育成は重要だと思っている。


−旅専はこれまで、消費者向けの活動が強かったイメージがあります。BtoBでの戦略はありますか

椿 旅専のなかに新たに「旅専(経営)活動戦略委員会」、「消費者イベント委員会」、「旅行業対象イベント委員会」の3つの委員会を立ち上げた。メンバー17社の代表が、いずれかの委員会に属している。旅専の活動について全体で考えていくことに変わりはないが、委員会ごとに業務を分担することで役割が明確化し、スムーズに進めることができる。

 このうち、旅行業対象イベント委員会では、業界内での旅専の存在感を高めるため、業界向けセミナーなどを実施する。また、今年から復活した旅行産業経営塾と連携をとり、業界のために何ができるか考えたい。旅専として、若い世代で今後の旅行業界を担っていく人材を育てていこうとする旅行産業経営塾の考え方に共感している。これまでの旅行業界は、航空券やツアーを販売して手数料をもらうコミッションビジネスで成り立っていたため、旅行会社の仕事が旅のパーツ売りになり、単なる作業になってしまっていた感もある。若者にとって憧れを抱ける業界にすべく、活動していきたい。

 つまり、旅専の業界向けの活動は営業ではなく人材育成のこと。BtoBで地上手配のみをおこない、商品を卸して代売してもらうことは、旅専は望んではいない。旅専の旅行商品はスペシャリストによる複雑なもので、代売は難しいと考えている。


−旅専にとっての、今後の課題をお聞かせください

椿 旅専の本懐は、テーマや地域に特化した専門店の集まり。これを維持するには人材の育成と定着が何より大切だと考える。たとえばフィンコーポレーションを例にとると、入社したらまずテーマを与えて、北欧を旅行させる。その後は添乗を繰り返す。これを10年くらい続けてやっと北欧の全貌が見えてくる。

 こうして育てたスペシャリストには、長く働いてもらいたい。そのためにも働きがいのあるいい会社にするべきだ。それでは、いい会社とは何か。就業時間が短く給料が高い会社がいい会社という価値観もあるが、旅専で働くスタッフはそうではない。まず、テーマや地域が好きであること。旅行業はサービス業、サービス業が好きという気持ちが仕事を長続きさせる。

 幸い、弊社には長く勤めるスタッフが多い。女性は出産などで休職したり、一度離職しても戻ってくることも多い。定期採用できれば、より有効な人材育成をできるのだが、現状では定期採用は厳しいのが辛いところだ。


−今後の目標は

椿 旅専設立時の7社から10年間で、現在の17社にまで拡大した。会員数が増えるということは、組織力がつくということ。多いに越したことはないが、一方で私は、増やせばいいというものではないとも考える。何度も繰り返すが、旅専の強みは専門性。専門会社として顧客のニーズに応えられるレベルが必要だ。

 今後のテーマは、旅専グループとして旅行者の信頼を勝ち取ること。これまで旅専は、新聞や雑誌などに有料広告をうってきたが、限られたターゲットにしか訴求できなかった。それがいまでは、インターネットの普及のおかげで、無料同然で大手ホールセラーにもひけをとらないピーアールができる。実際に、インターネットを見て旅専を知ったという旅行者も増えている。しかし、残念なことに旅専としてのブランドの認知度が低いことが信用度の低さにもつながっている。旅専グループとしてのブランドを、どう浸透させていくか。これが今後の課題だ。


−ありがとうございました
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