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スペシャリスト・インタビュー:エス・ティー・ワールド 河野幸子さん

実体験を活かした現地情報で満足度の高いツアーづくりを

 今年で入社7年目になる河野さん。今ではすっかりヨーロッパ通ですが、学生のころはアジアが好きで、アジアを極めようと各地を旅していました。タイやバリのホテルがすっかり気に入って、当時からホテルを視察するのが趣味だったほど。そのためか、現地で見たものを商品化し、販売していくといった業務の流れは、ごく自然に感じられたそうです。初めてイタリアを訪問したのは同社の社員研修でのこと。その際に食事の美味しさなど、すっかりイタリアに魅せられてしまったといいます。今回はイタリアツアーの企画のポイントから情報収集法まで、幅広いお話をうかがいました。

エス・ティー・ワールド
ヨーロッパ・中近東・アフリカ ファクトリー
デスティネーション長(南ヨーロッパ)河野幸子さん
2009年度(第5回)デスティネーション・スペシャリスト イタリア・マルタ認定



Q.日頃はどんな業務をされているのですか

 ヨーロッパと中近東全体を扱う部署にいますが、そのなかで、イタリア、ギリシア、スペイン、マルタを担当し、企画から予約・手配まで一貫した流れで業務を行なっています。私が入社した当時はヨーロッパの扱いは当社全体で少なかったのですが、最近では取り扱い件数も増えてきており、ヨーロッパ全域ならどこでも手配できるくらいのボリュームにまでなってきています。


Q.DSを取得するきっかけはどんなことでしたか

 イタリアとマルタは担当しているエリアですし、個人的に好きなので、というのもありました。また、ヨーロッパを訪れたのは入社後の社員研修が初めてで、イタリアにはこれまでに3回行きましたが、これもすべて会社の研修旅行でした。そういう勉強の機会を与えていただいた以上、それをいかしたいと思っていましたし、「イタリアに詳しいスタッフがいる」ということで、お客様にアピールできるのではと考えました。


Q.研修ではどのあたりをポイントに視察をするのですか

 イタリアに関しては、最近では年1回は研修をしており、私をはじめ他のスタッフも全員現地を訪れて、実際に使用するホテルなどを視察します。期間は8日間くらいで、5人から10人くらいの人数で回るのですが、各都市に1、2泊程度といった日程で、観光のポイントを押さえつつ、1日にホテルを20軒くらい視察するといった感じですね。

 ホテルは個人的にも興味がありますし、旅の要素としても重要だと考えています。一般的なツアーでは各都市に2泊程度が主流なので、郊外のホテルよりは街中や観光スポットに近く、効率的に回れるような立地のホテルを常に探しています。そのため、このエリアでホテルを見つけたいと思ったら、アポなしでどんどんホテルを視察します。断られることもありますが、思わぬ発見もありますね。


Q.イタリアで印象に残っているのはどんなことでしょうか

 やはり食事の美味しさでしょうか。日本にも美味しいイタリアン・レストランは多数あるためか、人によっては期待したほどではなかったという感想も聞かれるのですが、現地ならではの美味しい店を探すのが楽しみでもあります。

 例えば、アルベロベッロ観光の拠点となるバーリのレストランで食べたペスカトーレは本当に美味しかったですよ。日本ではペスカトーレはトマトベースのものがほとんどですが、ここのは塩味で具もたっぷり入っていました。また、フィレンツェにもごくカジュアルな店なのですが、クリームソースで和えたラビオリ風のパスタなどどれも美味しいメニューで、また行きたくなるレストランがあります。


Q.最新の現地情報はどんな風に調べているのですか

 現地に行く前には、インターネットや雑誌、社内の口コミやお客様のコメントなど、とにかくあらゆる情報に目を通しておきます。情報を幅広く集めることでより深く理解できますし、頭のなかも整理されてきます。そして出かける前に美味しいお店などのポイントをリストアップしておくほか、現地でもホテルのスタッフから情報を聞き込んだりしています。こうしておけば、そんなに外れはないですね。


Q.どんなツアーをすすめていきますか

 現在販売しているツアーは、私や他のスタッフが実際に現地でホテルを見て、お客様目線で移動を考えて商品化したものがほとんどですが、そのなかでもホテルにこだわったツアーがおすすめです。FITの場合、なかなか差別化が難しいのですが、当社では社員が足でかせいだ情報で勝負していきたいですね。

 あと、旅先で何かを体験する楽しみってありますよね。イタリアだったらアグリツーリズモとか、フットサルとか、いろいろあると思います。例えば、私は母親とヨーロッパ旅行をしたことがあるのですが、最近は親子でピザ作りに凝っていて、今度は現地でピザ作り体験をしたいといっているんです。こんなのもツアーに取り入れられたら楽しいのではと考えています。


Q.今後の目標はありますか

 DSに関していえば、次はスペインの資格にチャレンジしたいです。あとは、当社ではビーチリゾートで「アイランズ・コレクション」という商品カテゴリーがあるのですが、ヨーロッパでもアイランズ・コレクションの商品を展開してみたいですね。ヨーロッパにもシチリアやその周辺の島々など離島があるので、もっと素材を掘り起こしていきたいと思います。


ありがとうございました



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