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スペシャリスト・インタビュー:アバンティリゾートクラブ 天野弥生さん

ジャンルを超えた知識でリピーターの心をつかむ

 旅行業界歴が16年におよぶという天野さんのお得意のエリアは、韓国とハワイ。学生時代は海外というと欧米に目が向いていたそうですが、社会人になって初めて訪れたアジアの国である韓国で、人々の熱い心に触れて以来、すっかり韓国ファンになったといいます。生まれも育ちも人情の厚い浅草で、お祭り大好きという天野さんだけに、面倒見のよさで幅広い年齢層のお客様の心をつかんでリピーターに結び付けています。今回は韓国のお勧めスポットから情報収集のノウハウまでお聞きしました。

アバンティリゾートクラブ
トラベルコーディネーター 天野弥生さん
2008年度(第4回)デスティネーション・スペシャリスト 韓国/ハワイ認定



Q.日常はどんな業務をされているのですか

 当社は主にインターネットを使って旅行を販売しているため、電話の応対とお客様の予約手配の業務、それ以外には会社のホームページの作成作業も担当しています。最近ではホームページの更新作業に必要な時間も多いため、お客様の対応に関してはリピーターを中心に担当しています。ネットによる販売では、どうしても料金勝負になってしまう傾向はありますが、わずかな違いであればお客様としては話が通じあう人、現地に詳しい人がいるということで選んでいただいており、リピートされる方も少なくありません。


Q.韓国のDSを取られたのは、取り扱いの多い方面だったからでしょうか

 アジアおよびアメリカ本土を中心にヨーロッパを除く各エリアを取り扱っていますが、送客数が一番多いのは韓国です。この傾向は韓流ブームの少し前から続いており、多少の増減はあっても安定しているマーケットではあります。今回DSで韓国を選んだのは取り扱いが多いというのもありますが、社会人になって初めて旅行したアジアの国が韓国で、強い印象を受けた影響が大きいです。学生時代はハワイやアメリカ本土、ヨーロッパなどへ行きましたが、韓国は欧米とは違い、暮らしている人のマインドが熱いと実感し、以来少なくても2年に1回は韓国を訪れていました。この会社に入ったのは6年くらい前なのですが、韓国の取り扱いが多いので、さらに韓国通いに磨きがかかったというのもありますね。DSを受けたのは、こうして培った自分の知識を試してみようという気持ちもあったからです。


Q.韓国の魅力をひとことでいうと、どんなところですか。また、お勧めの場所はありますか

 皆さんよくおっしゃるように、食事やショッピングというのもありますが、やはり面白いのは「人」ですね。みんな面倒見がよいというか、それこそ下町のおばちゃんがたくさんいるといった感じで、親しくなると深いつきあいができるのが魅力です。

 ソウルの場合、一般的には明洞(ミョンドン)、東大門、南大門、江南(カンナム)あたりを訪れる人が多いと思いますが、地元の人たちも週末に訪れるところとしてお勧めなのが、新村(シンチョン)、弘大(ホンデ)といった学生街です。食べ物もすごく安かったり、庶民的な居酒屋やクラブをはじめ、現代百貨店やミリオレというショッピングスポットもあります。

 地方に目を向けると、来年から全羅南道(チョンラナムド)でF1が開催されることもあって、このあたりが面白いのではないでしょうか。ここは韓国の南部にあたりますが、料理がものすごく美味しいところで、テーブルいっぱいに並んだ韓定食などもリーズナブルな料金で楽しむことができます。


Q.DSを取られて業務に活かせる点はどんなところですか

 通常の業務ですと、韓国の場合ソウルが中心で、あとは済州島や釜山、オプションで慶州を扱うくらいで、それ以外の地方の知識を深める機会はあまりありません。DSを受験するに際しては他の地方の勉強もしましたので、自分自身にとってソウル以外の地域を深く知るよい機会になりました。こうした知識は地方を組み入れたツアーの見積もりを手掛けるときなどにも役立っていると思います。


Q.情報収集で心掛けられている点はありますか

 ソウルに関してはかなり情報が多いのですが、地方となるとガイドブックの情報だけでは足りないので、ネット上で調べたり、衛星放送で韓国のテレビをチェックして現地の旅行番組を見たりして参考にしています。

 また、韓流でいうと、以前は「ヨンさま」一色でしたが、今はさまざまなドラマや映画、歌が入ってきているので、お客様の好みもかなり細分化されています。お客様からいわれたときに理解できないと話が進みません。ドラマや音楽番組なども大雑把でもよいのでチェックするようには心掛けています。こうなると「旅」というジャンルには収まらない知識になりますが、話があえばお客様にも喜んでいただけますし、リピートするチャンスにもつながると考えています。


ありがとうございました



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