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スペシャリスト・インタビュー:JTB法人東京日本橋支店 杉本真紀さん

「中国が好き」という気持ちを持ち続けたい

 学生時代にたまたま訪れた中国で、そのバイタリティに圧倒され、強く惹かれるようになったという杉本さん。その後、中国語を勉強し、短期ながら語学留学も2度経験。DSの中国を取得したのも「『中国を好き』という気持ちを持ち続けるため」と語ります。そんな杉本さんの勤務するJTB法人東京は、旅から派生する、もしくは旅に帰結するさまざまな法人需要に応える会社、つまり“旅を基軸にした法人のソリューションカンパニー”。ドクターシーラボとの薬用ハンドジェルの共同開発や、「のだめカンタービレ」のロケ参加ツアーなど、従来の旅の範疇から一歩踏み出したビジネスで話題を呼んでいます。その法人営業をバックヤードで支える杉本さんに、中国への想いとともに仕事に対する姿勢をうかがいました。

JTB法人東京日本橋支店 
営業第一課 国内団体手配グループ 杉本真紀さん
2008年度(第4回)デスティネーション・スペシャリスト中国認定



Q.中国に興味を持たれたきっかけは

 学生時代、日中交流イベントのひとつとして、たまたま中国を訪れました。そのとき、人々の持つバイタリティに圧倒されました。「生きる」とか「食べる」といったことに対して、人々がとてもひたむきなんです。バブル真っ盛りの日本から、天安門事件後間もない時期に訪れたので、そのギャップにショックを受けたこともあるかもしれません。とにかく日本では感じることのできない力強さでした。


Q.DS取得を思い立ったのは

 JTBではDSの取得を推奨しており、社内メールなどで案内があるのですが、実際に取得しようと思ったのは、「中国が好き」という気持ちを忘れたくなかったからです。何をするにしても、「好き」という気持ちって大事だと思うんです。仕事をする上でもモチベーションになりますよね。でも、仕事をしていく中で忘れがちなことでもあるのではないでしょうか。私の場合、DSの資格が直接日々の業務にいきるわけではありませんが、DSを取得したことは私の中の「好き」という気持ちを新たにして、自分の立ち位置を再認識するのにとても有効だったと思っています。


Q.現在の業務内容について教えていただけますか

 昨年4月から法人営業のバックヤードとして、旅を中心とした各種手配を担当しています。ただ、弊社は従来の旅の枠を越え、法人のお客様にさまざまな提案をしている会社なので、イベント会場の手配など、通常の支店より手配業務の範囲は広いと思います。今年4月までは海外の手配を担当し、現在は国内を担当していますが、海外も国内も業務の基本的な考え方は変わりません。

 海外手配であれば、私たちの先には外国のサプライヤーがいて、国内であれば私たちは旅館の方などとつながっています。そうした関係者全員が共通のアイデアをシェアできるように伝えるのも大事な仕事です。ちなみに、昨年までは法人営業のアシスタントをしていました。お客様や営業担当者、手配担当者、さらには海外の関係各所との間を取り持つ業務で、弊社では「コミュニケーター」と呼ぶ職種です。関係者に同じ考えを共有してもらって旅を作り上げていくという意味では、コミュニケーターも手配も、根本の役割は同じかもしれませんね。旅という形のないものを売る営業担当者を裏方で支え、形にしていく仕事はやりがいがあります。


Q.仕事をする上で心がけていることは何ですか

 不況やその他の外的要因を受けやすい分野ですので、営業は大変な仕事です。アイデアでマイナス要因を克服していかないといけません。そうした営業担当者の苦労や、せっかくいただいたお客様からのアイデアを無にしないよう、確実に旅を作り上げていくことを心がけています。ときには、これまで培ってきた知識やノウハウ、それから当社の仕入れ力を生かし、バックヤードから営業担当者やお客様に情報発信をしていくことで、求められるレベル以上の旅にしていく努力も必要だと思っています。これからは若手の営業担当者も増えていくので、彼らの負担を少しでも軽くするためにサポートもしていきたいですね。


Q.中国というデスティネーションの魅力について教えてください

 北京などでは、万里の長城や故宮など圧倒的なスケールの歴史遺産が堪能できると同時に、東京でいう青山のようなお洒落な場所も楽しめます。都市を少しはずれると、人々の温かさに感じ入ることが少なくありません。

 雲南省の麗江を訪れた際には、石畳の道で足をくじいた私を、見も知らぬおばさんがおぶって病院に連れていってくれたことがありました。私より小柄なのに、しかも両手で自分の子供の手を引きながら……。中国の魅力は、こうした北京や上海などの都市のダイナミックさと、地方の町や村の人々の温かさだと思います。法人営業では旅だけでなく、中国に進出した日本企業の周年事業などを扱うケースが増えていますが、これからもさまざまな人とさまざまな形で関わりあいを持ちながら、中国と付きあっていければと思っています。


ありがとうございました


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