itt TOKYO2024

スペシャリスト・インタビュー:ワールド航空サービス 竹内健治さん

専門といえるデスティネーションができたことで自信に

 今年、入社5年目を迎える竹内さん。リピーターが7割、参加の多くがシニアという客層の同社で添乗や営業の経験を積み、人生の大先輩であるお客様とも自然に会話ができるようになってきたと語ります。最近ではむしろ、おじいさんやおばあさんの旅行に同行する20代の若者のお客様との会話に、とまどいを感じるとか。DS取得で、さらに添乗や営業に自信が持てるようになったという竹内さんにお話をうかがいました。


株式会社 ワールド航空サービス
東京支店営業部 クルーズデスク 竹内健治さん
2007年度(第3回)デスティネーション・スペシャリスト ハワイ認定
2008年度(第4回)デスティネーション・スペシャリスト ハンガリー・チェコ認定



Q.これまでのご経歴と現在のお仕事を教えてください

 入社したのは2005年4月です。高校時代から海外に興味をもちはじめ、大学時代には、オセアニア、アジア、チェコやハンガリーなどの東欧・中欧を旅行しました。就職先として旅行会社を選んだのも、もっと世界を知りたいという思いからです。入社1年目は事務を担当、2年目から営業部のクルーズ担当となり、今年で4年目を迎えます。現在は、月1回程度のペースでツアーに添乗しているほか、会員向け機関誌である『旅のひろば』を見て問いあわせてくださるお客様への対応や、電話、手紙、ネットなどを利用したツアーの案内をしています。


Q.ハンガリー・チェコのDSを取得された経緯は

 以前からヨーロッパの歴史や街並に興味があり、大学では西洋史を専攻していました。なかでも東欧や中欧に、非常に関心があります。僕にとっては、イタリアやフランスといったメジャーな観光国の華やかさよりも、中世の趣を色濃く残したハンガリーやチェコといった国々の少しひなびた雰囲気が魅力的なんですよね。弊社には、各方面のスペシャリストが数多くいて、僕も時間を見つけて挑戦したいと思っていたので、ハンガリー・チェコのDSを取得したのは自然な成り行きでした。


Q.DSを取得されて変わったことは

 ハンガリーとチェコには、これまでドナウ川クルーズを含めて2回添乗で訪れる機会がありましたが、本来の担当はクルーズなので、直接、知識を企画に活かしたり、お客様に案内したり、といった機会は多くありません。

 ただ、自分の専門といえるデスティネーションをもてたことは、大きな自信になりました。当社のお客様は7割がリピーターで、訪問先や目的などの明確な希望があって次の旅行を決めるというより、「どこかに行きたいけど、どこにしようか」と相談される方が多いので、そういったお客様に案内する際にも、専門知識をもっていることは大いに役立ちます。ひとつ詳しい地域があると、添乗でどこのデスティネーションに出かけても、歴史のつながりに触れたり、比較をしたりしながら話せるので、以前より深い説明ができるように思いますね。


Q.ハンガリーやチェコの商品を企画するとしたら、どんなところを紹介したいですか

 ハンガリーにもチェコにも、あまり知られていませんが魅力的な町がたくさんあります。たとえば、ハンガリーには、かつて騎馬民族が住んでいた平原(プスタ)があり、そこでは今も民族衣装を身にまとった男性が裸馬2頭に片足ずつ乗せて立って走る馬術ショーが見られます。また、チェコのボヘミア地方には、昔話から抜け出したような美しい町が数多くあります。現在の商品は、ハンガリー、チェコ、ときにはスロバキアも含めた周遊旅行が中心ですが、ハンガリー、チェコどちらの国にもまだまだこうした魅力的なスポットがたくさんあるので、1国だけを巡るツアーも催行できればいいなと思いますね。


Q.ご担当のクルーズを取り巻く環境は

 クルーズというと、いまだにタイタニックなど超豪華客船を思い浮かべて敬遠する人が多く、なかなか思うようにクルーズ人口が増えないのが現状です。しかし、実際に乗ってみれば堅苦しいものではないし、カジュアルなクルーズもたくさんあります。僕自身、クルーズ担当になった当初は、それまでまったく縁がなかったために少しとまどいましたが、さまざまなクルーズを経験した今は、とても身近な旅のスタイルとしてとらえています。欧米などでは、おばあさんとお孫さんといった組みあわせで乗船しているケースも少なくありません。日本でも、こんなふうに利用してもらえるようになるといいと思っています。


Q.今後、ほかの地域のDSを取得される予定はありますか

 2007年にはハワイを取得しています。大自然が好きなので、時間が作れれば、アメリカや北欧などのDSにも挑戦したいですね。


ありがとうございました。


<過去のスペシャリスト・インタビューはこちら>