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スペシャリスト・インタビュー:名鉄観光サービス 営業係長 平戸洋亘さん

“待ち”より“攻め”の姿勢で団体旅行需要の活性化を

 名鉄観光サービスに入社して10年、新宿支店では5年にわたって勤務してきた平戸さん。日常業務は取引のあるお客様の出張手配が中心だそうです。横浜出身の平戸さんは、子供のころ鉄道好きのお兄さんの影響からか、旅行を仕事にするのは小さいころからのばくぜんとした夢だったとのこと。デスティネーション・スペシャリストの資格取得を考えたときにドイツを選んだのは、サッカー好きの平戸さんならではのきっかけがありました。DS取得後は、ドイツをはじめヨーロッパ方面にも強いスタッフとして、周囲の期待に応えたいと意欲を燃やしています。


名鉄観光サービス株式会社
新宿支店 営業係長 平戸 洋亘さん
2006年度(第3回)デスティネーション・スペシャリスト ドイツ認定



Q.DSを取得した経緯をお聞かせください

 「こういう資格があるけど、受けてみないか」と上司からいわれたのが、DS取得のきっかけでした。ドイツを選んだのは、その話の少し前にワールドカップのサッカー観戦で、プライベートでドイツに行く機会があったためです。そのときはケルンとフランクフルトに滞在し、日本対ブラジル戦をはじめ合計3試合を見ました。街には世界各地からサポーターが集まり、通常とは違う雰囲気だったと思いますが、きれいな街並みや、何か困ったことがあったとき、その様子を見て話しかけてくれる親切な地元の人たちなど、ドイツに対して好印象を持ちました。


Q.DSが業務に役立つのはどんなときでしょう

 新宿支店は団体営業が中心となっており、海外旅行だけを扱っているわけではないので、DSを取得したことをアピールする機会はあまり多くありません。しかし、支店内でドイツの話があれば、私のところに持ち込まれるケースは増えました。こちらとしてもせっかく資格をとったので、それに応えていこうと思っています。

 海外旅行の方面のなかでも、取り扱い件数としてはアジアが多く、ヨーロッパはさほど強いとはいえません。それだけに、ヨーロッパに詳しい人間がいるということも必要なのではないかと考えています。実際に団体でヨーロッパに行くという話はあまり多くないのですが、そういう話をいただいたときにきちんと対応できるよう、知識を蓄えておきたいと思っています。


Q.個人的にはドイツのどのような面をお客様にアピールしたいですか

 現在は、お客様の出張手配を扱うことが多いので、見本市などの開催地としても有名なドイツは、ビジネス渡航に結びつく要素が多いと思います。そんな点からもドイツをアピールしたいです。

 個人的にはサッカーが好きなので、サッカー観戦などもいいですね。ヨーロッパのサッカー観戦ツアーというとイギリス、スペイン、イタリアあたりが中心となっているのが現状ですが、ドイツもサッカー大国ですし、ドイツで活躍している日本人選手もいるので、見どころは多いと思います。当社では商品として設定するところまではいっていませんが、以前に比べるとサッカーが目的でヨーロッパへ行く人も増えている傾向はあると思います。また、食の楽しみでいうと、やはりドイツといえばビールにソーセージとなってしまいますが、地方ごとに特色がある本場の味が楽しめます。ビール好きにはたまらないのではないでしょうか。


Q.最近の団体旅行の傾向はいかがでしょうか

 団体旅行についても、ここ最近はあまり明るい話題はないのですが、そうした状況下でも職場旅行だけでなく、招待旅行などの需要はなくなることはないと思います。「今年は予算がなくて」という会社も多いのは事実ですが、そういう需要をもっと掘り起こしていけたらいいですね。

 団体の渡航先としては、関東近県の1泊2日で行けるところが中心で、この傾向に変化はありません。ハイシーズンをはずせば案外料金も安くいけるため、時期によっては札幌や沖縄というのもあります。飛行機に乗るとお客様も「旅行をした」という気分をより味わっていただけるようです。海外では韓国、グアムなど近場が多いですね。韓国は今年に入ってから問い合わせがかなりきているようです。ニュースでも「ウォン安でお得」というのを取り上げていますから、お客様も敏感に反応されるといるのだと思います。


Q.今後目標とされることはありますか

 日常業務のなかでは、お客様から要望があがり、それに対して応えていくといった、ある意味で受身的な対応が多くなっています。団体旅行に関しては、今後も急激に増えていくという見通しではないと思いますが、それだけに需要を喚起していく、例えばイベント等を企画してこちらから仕掛けてお客様を呼び込んでいく、ということができればいいですね。またそういう形にしていかないと、厳しいのではないかと思っています。


ありがとうございました。


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