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スペシャリスト・インタビュー ANAセールス北海道 花輪知佳さん

フリープラン型ツアーだから提案型の接客ができる

入社7年目の花輪さんは、主にカウンター業務に携わり、現在は海外旅行のツアーや航空券販売を担当されています。販売のキャリアの持ち主ですが、DSを取得してからはグアムに関わる接客が変わったと実感されるそうです。「現地に行き、その魅力を体験するからこそ、真実味が伝わる。知識を増やしてもっと伝えたいことが増えた」との真意を伺いました。

ANAセールス北海道株式会社
販売推進部 カウンターグループ 花輪知佳さん

 2006年度(第4回)トラベル・コーディネーター認定
 2006年度(第3回)デスティネーション・スペシャリスト グアム・マリアナ認定


Q.DSに挑戦した理由を教えてください

日頃から、販売に役立つ知識を身につけたいと思っています。社内で実施される教育研修の1つとして、社内添乗員を講師とした「海外現地情報セミナー」があり、そういう機会にもできるだけ参加していました。そんな折、社内でTC制度のパンフレットが配布され、興味を持ちました。

その中でグアム・マリアナの講座を選んだのは、他の方面に比べて海外旅行の初心者が多いからです。該当方面のうち、弊社が取扱うのはグアムのみですが、不安そうな顔で来店する人が多く、安心して快適な旅行をしてもらうためにも、特にグアムの情報を習得したいと思ったのです。

Q.どのようなとき、DSの効果を感じますか

オプショナルツアーの案内で例えると、複数の会場で開催される「ポリネシアン・ディナー・ショー」について、料理の違いや会場の立地にあわせた観光を含めた案内がスラッと口から出てきたので、自分でもちょっと驚きました。お客様もすぐその場で検討でき、信頼していただけたようです。

グアムはフリー型のツアーが多く、海外旅行のわりに接客時間が短かいものだと思っていましたが、フリータイムが多いからこそ提案する余地があると分かりました。グアムは他方面に比べて鑑賞目的の観光地が少なく、アクティビティやエンターテイメントなど、何かを体験することが旅行を楽しむ重要な要素ですから、その醍醐味を含めてお客様に伝えたいことが増えました。

ただ、DSに認定されたからといって、まだ自分を「スペシャリスト」とは思えません。DS養成講座は、該当方面に精通していて復習的な目的で受講する方と、知識を習得するために始める方の2つあり、私は後者です。もっと現地を体験し、それに基づいた説明ができるように、本当の意味での「スペシャリスト」を目指していきたいと思っています。今はまだその途中過程ですね。

Q.北海道という出発地の特性を感じることはありますか

弊社の場合、グアムは関空経由になるのですが、伊丹空港の離着陸制限や神戸空港の開港などで国内線の時刻が頻繁に変わり、乗継時間が空いてしまうことがありました。

若いカップルで「この空いた時間、何しよう」と悩まれた方がいましたので、元気な世代ということもあり、「せっかくなので国内線を最終便に変更して、USJに行ってみては?」と提案したところ、帰国後もとても喜んでくださったことを覚えています。それ以降は接続時間も有効に利用していただこうと、体力的に大丈夫そうなお客様には欲張りな旅行を案内しています。

Q.今、注目している旅行はありますか

グアムでのゴルフといえば、中高年以上の上手な方々が行くイメージでした。しかし、グアムは初心者や子供でも楽しめるゴルフ場が多く、9ホール料金や子供用レンタルも充実しています。

昨今、横峯さくらさんや石川遼くんなどの活躍で若い人や子供のゴルフ人気が高まっているので、若いグループやファミリーにも気軽にゴルフをしにグアムへ行っていただきたいです。澄み切った空と青い海を眼の前にプレイすれば、誰でもゴルフに熱中できそうですよね。

Q.今後、旅行業界を担っていく世代でいらっしゃいますが、今の業界に対して思うことはありますか

お客様自身が航空券やホテルなどをネットで手配されることが増えてきましたが、私はまだまだ旅行会社でなければできないことがあると思います。先日、長期休暇を利用してイタリアとドイツを旅行したのですが、ローマの空港スタッフのストライキというハプニングがあり、帰りの飛行機に乗り継げませんでした。私は代わりのチケットをネットで手配した方が安いと思って探したのですが、価格的な問題や便が混雑していたこともあり、うまく手配することができませんでした。そこで、現地の旅行会社を訪れると、混雑していても色んな経由便で調べて、しかも安い価格で手配してくれたのです。

インターネットには大量の情報が錯綜しています。それを整理してお客さまのニーズにあった必要な情報を伝えることに旅行会社の意義があると思います。つまり、安心と利便性を提供できることが旅行会社の優位点ではないでしょうか。それが実現できなければ、やはりインターネットに負けてしまいますので、私たちはその努力をしていかなくてはいけないと思います。

ありがとうございました。


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