スペシャリスト・インタビュー 日本通運 名古屋旅行支店 三宅博子さん

知識だけではなく、興味を持ち続けることが大切

カウンターを中心に、団体の見積・手配や仕入・発券、メディア商品の企画・販売、会報誌の編集など、旅行業に関するあらゆる業務に携わる三宅さんは、同社で勤続28年目の大ベテラン。長年、旅行業界に携わった理由について「同じデスティネーションでも新しいものが増えて、変わっていくから面白い」と、おっしゃいます。インタビューでは、大ベテランであっても絶えず新しいことを吸収しようとする、好奇心と真摯な姿がうかがえました。

日本通運株式会社 名古屋旅行支店
 東海ブロック営業センター 係長 三宅博子さん
  2004年度(第1回) トラベル・コーディネーター 認定
  2005年度(第1回) デスティネーション・スペシャリスト スペイン・ポルトガル 認定
               ハンガリー・チェコ 認定、ドイツ合格


Q.旅行業は多忙な業種だと思いますが、長年お仕事を続けられたポイントはなんでしょうか

旅行って、本当に面白いと思います。次から次へと新しいものが出てきて、同じデスティネーションでもいろんな旅行が生まれます。特にヨーロッパは幅広いアレンジが可能で、興味深いですよね。

私は旅行業は旅先だけの知識ではダメで、いろんなところにアンテナを張らないといけないと思っています。ただ、知識を増やそうという意欲も大切ですが、それよりも興味を持ち続けることが大切。興味を持てば必然的に知識や実績がついてくると思うんです。

Q.今、注目している「新しいもの」は何ですか

たとえばスペインでは「巡礼の道」です。映画「サン・ジャックの道」が公開され、間違いなく注目度が高まると思います。この「巡礼の道」が面白いと思うのは、宗教の意味合いがとても強い場所なのに、敬虔なクリスチャンのみならず、世界の観光客がさまざまな方法で楽しんでいることです。

「昼間はゆっくりと歩いて、夜は豪奢な5つ星ホテルに泊まってお姫様みたいな滞在を楽しむのよ」って、お話しされた60〜70歳台のアメリカ人のおばあちゃんが非常に印象的でした。昼はウオーキングで歴史や文化、周囲の自然を楽しみつつ、夜はパラドールなどのお城のようなホテルにも泊まる、私もこんな旅を提案していきたいと思っています。

Q.DSは一度に3つの科目を受講されたのですね

きっかけは会社の業務命令だったのですが、特にカウンター業務にとっては、旅行に関する深い知識を蓄積する必要性を感じていたので、せっかくの機会だと思い、前向きに取り組みました。そのなかでこの3科目を選んだのは、弊社の顧客層が熟年・シニアの方々が多く、ヨーロッパ旅行の人気が高いからです。

Q.感想を教えてください

Eラーニングでその場で回答も出るので、ゲーム感覚で楽しみながら取り組むことができました。個人で勉強しようとすると、取り扱う旅行に関する事柄ばかりに目がいきますが、半強制的に幅広い内容を知ることができるのは、良いことだと思います。ただ一度に3科目を受講したので、さすがに学習の時間を確保するのが大変でした…。

要望としては今のところ、資格を取得してもそれで終わってしまっています。資格の制度として、もう少しアップデートした情報を得る機会があるといいですね。また、現地を自分で実際に旅行することは大切だと思いますが、企画や営業の担当者は行く機会が多くても、カウンターの人はなかなか機会がありません。プライベートの旅行ではどうしても自分が行ったことのない場所を選ぶ人も多いと思うので、FAMツアーなどに参加する機会も増えるといいと思います。

Q.日ごろの業務でDSをセールスツールとしていますか

私はあえてお客様にお伝えしていません。特にカウンターは各方面を取り扱いますから、得意方面を限定してしまうことになるのかと思うからです。

私はセールスツールというよりも、自分のために取得しました。認定を受けたからには名前に恥じないようにブラッシュアップしようと、自らを律しています。そういう意味で私は特に、若いスタッフの多いカウンターの人に講座を受けてもらいたいと思っています。

Q.カウンター業務の難しさはどこにありますか

異動なども多く、入れ替わりが激しい業務だと思いますが、幅広い方面を学ばなくてはいけません。最近はパッケージツアーでも、日程で自由行動の日が多いツアーもありますから、その時に「ここに行きたい」「これをしたい」と具体的に相談されるお客様も増えています。

ですから学ぶべきものが集約されているDSは便利。知識を深め、認定されて自信を付けることが、カウンタースタッフに必要だと思っています。1人で取得すれば、周りもがんばろうと思うのではないでしょうか。

ありがとうございました。


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