台湾中部の台中市郊外(旧台中県)から南投県は1999年9月21日にマグニチュード7.3の巨大地震に襲われ、甚大な被害に見舞われました。それから12年。現在の同県の復興ぶりは、東日本大震災に打ちのめされた日本にとっては大変勇気づけられる姿といえます。例えば、地震の記憶と記録を保存する「921地震教育園」(台中市霧峰区)があり、地震でできた地層のずれを見学できる断層保存館や地震工学教育館、映像館、防災教育館、再建記録館など学習施設として訪問者を迎えています。
また気候や治安をはじめとする居住環境に関して南投県でも最も恵まれた場所の一つとされる埔里も震災から復興し、現在はロングステイの誘致に注力しています。紹興酒の名産地としても知られ工場見学なども観光客に開放されていることから、台湾中部隋一の景勝地である日月潭への途中に立ち寄る観光ツアーも少なくありません。埔里は穏やかな時間が流れるのどかな町です。
台湾第4の都市、台南市は台湾を代表する古都。オランダ統治時代の1624年に政庁が置かれて以来、200年以上にわたり台湾の首府として繁栄した歴史を持ちます。市内には200以上の寺廟や史跡が点在し、歴史散歩に最適の街として先般発行された「ミシュラングリーンガイド台湾」でも3つ星認定された都市でもあります。台南市観光の中でも「赤楼(せっかんろう)」は最も有名な史跡で、もとは17世紀にオランダ人が創設した城として、1661年に鄭成功がオランダ人を駆逐した後はここを首府としました。ちなみに台湾の英雄である鄭成功は、母親が日本人で日本との縁が深い人物でもあります。日本人に馴染みの深い孔子をまつった孔子廟も台南市観光では必見のスポット。台湾最古の最高学府です。
台南はまた、台湾を代表する食文化の一つである一品軽食料理「小吃(シャオチー)」の数々の逸品を生んだ"台湾料理の故郷"であり、食べ歩きにも最適。本格的レストランでの食事から、昼間の街角や名物夜市での小吃のつまみ食いまで、多彩な食体験を思う存分楽しめます。
台湾高速鉄道(新幹線)の台南駅からはバスのほかに、市中心部に向かう台鉄沙崙支線が本年1月に開通して所要わずか20分で高速鉄道(新幹線)台南駅と台湾鉄道の台南駅間を結んで運行しています。