モンゴル、送客へJATAが委員会設立へ、新空港など追い風も

旅行会社経営者と現場担当者がモンゴル視察
菊間JATA副会長も参加、モンゴル委員会設立へ

 MIATモンゴル航空(OM)とモンゴル観光協会の招きで、モンゴル旅行の新企画の可能性を探る視察旅行が9月12日から15日の期間で実施された。メンバーは、団長を務めた阪急阪神ビジネストラベル代表取締役社長の難波江隆一氏をはじめとする旅行会社関係者21名。テレルジ国立公園のゲル宿泊や乗馬、遊牧民訪問、首都ウランバートルの観光素材などを精力的に体験、見学、観光したほか、現地側との積極的な意見交換も実施し、日本旅行業協会(JATA)副会長の菊間潤吾氏からはモンゴル委員会の設立方針も打ち出されるなど充実した内容となった。


寄稿:西川敏晴氏(トラベルジャーナリスト、前地球の歩き方代表)


▽現地旅行関係者と意見交換会を開催

テレルジ国立公園

 2日目に開催されたモンゴル観光協会と視察団との意見交換会では、冒頭にモンゴル旅行業協会のエルデネパト副会長が歓迎の挨拶の後、日本市場について「モンゴルは世界76ヶ国から年間50万人の観光客を受け入れているが、日本人旅行者は全体の4%」であると説明。

 その上で、現状の課題とモンゴル側の取り組みとして、(1)2011年からビザ無しで1ヶ月の滞在が可能になったこと、(2)航空運賃が高いとの不満に対して、かつては16万円台であったところから近年では4万円から8万円まで下がり、またフライト数を増やす努力もしてきたこと、3)ホテルやツーリストキャンプのサービスレベルへの苦情に対しても、新たにシャングリ・ラやジンギスカンホテルなどの一流ホテルが首都圏に建設され、サービスも世界標準をめざしていること、あわせて観光客が増加すればツーリストキャンプによる設備投資の増加も期待できることを紹介した。

 一方、同じく課題であるガイドと通訳のレベル向上は、観光シーズンが短く、特に日本語はシーズン中でも毎日仕事がある保証がなく養成が難しいと指摘。エルデネパト氏は、「モンゴル人は世界中で一番親切な国民は日本人であると考えている。ぜひ、観光についても日本との関係を強化していきたい」とし、日本側の協力を得て育成に取り組みたい考えを示した。

 また、OMマーケティング&セールス部長のダシュヤム氏と財務部長のダワースレン氏は、「成田/ウランバードル線は、日本人が48%、モンゴル人が52%」であることを紹介し、日本人比率の向上に意欲を示した。

 OMではボーイングB737型機を中心に満足度の高いサービスをめざしているといい、新空港や道路網の整備に合わせて積極的なマーケティングを展開する方針。すでに代理店としてラッキーツアーセンターを指名し、ソウル/ウランバートル、成田/ウランバートルの両路線での販売を強化しはじめているところだ。