歴史的価値の高い建造物が建ち並び、四季折々の美しい景観が楽しめる京都府。国内外を問わず、連日多くの観光客でにぎわう京都ですが、まだまだ知られていない穴場スポットも数多くあります。
この記事では、関西在住の旅好きライターが実際に訪れて良かった場所や行ってみたい場所を中心に、京都観光の穴場スポットをピックアップしました。ゆっくりと散策できる神社仏閣はもちろん、お寺以外のスポットも紹介しています。ぜひ、最後まで読んで次の旅の参考にしてください。
アクセス良好!京都の中心エリアにある穴場の観光スポット
ここでは、定番スポットと組み合わせて観光しやすい、京都市内の中心エリアにある穴場スポットを4つ紹介します。
南禅寺|赤レンガの水道橋がノスタルジックな雰囲気を演出
臨済宗南禅寺派の総本山「南禅寺」は、平安神宮や京都市京セラ美術館がある岡崎エリアに位置している寺院です。
境内には、重要文化財の山門や勅使門をはじめ、美しい借景が広がる南禅院や方丈など、見応えのある建物が多く点在しています。中でも、レンガと花崗岩でつくられたアーチ状の水道橋は、明治時代のノスタルジックな雰囲気が楽しめると好評。多くの観光客が写真撮影に訪れる、人気のスポットです。
最近はSNSなどでも注目を集め、海外からの観光客も増えてきていますが、見どころ満載の南禅寺はそれぞれの建物に観光客が分散します。そのため、筆者が訪れたときも比較的ゆったりと観光できたこともあり、穴場スポットとしておすすめです。
南禅寺
【住所】京都府京都市左京区南禅寺福地町
【電話番号】075-771-0365
【アクセス】京都市営地下鉄「蹴上駅」から徒歩約10分
【営業時間】8:40〜17:00 ※12/1~2/28は8:40〜16:30
【公式Webサイト】https://nanzenji.or.jp/
【SNSアカウント】
https://www.facebook.com/KyotoNanzenji
https://www.instagram.com/daihonzan_nanzenji
https://twitter.com/nanzenji_kyoto
蹴上インクライン|線路の上を自由に散策できるフォトジェニックスポット
南禅寺の近くにある「蹴上インクライン」は、琵琶湖疏水の上流と下流を結んだ全長582m・高低差約36mの傾斜鉄道跡(線路)です。
かつては、貨物が載った舟をそのまま台車に乗せて、ケーブルカーの原理でそれぞれの地点へと運ぶことができたため、大いに活躍しました。しかし、舟運の衰退とともにインクラインの利用も減り、1948年に廃線。現在は、京都市の文化財として線路が保存されています。
春になると両側に桜が咲き誇り、多くの観光客が訪れる蹴上インクラインですが、季節をずらせば観光客は少なく、ゆっくりと散策できます。筆者も9月に訪れたため、線路の上で人のいないタイミングを見計らって、何枚も素敵な写真が撮影できました。
蹴上インクライン
【住所】京都府京都市左京区粟田口山下町~南禅寺草川町
【電話番号】なし
【アクセス】京都市営地下鉄「蹴上駅」から徒歩約3分
【営業時間】終日
【公式Webサイト】https://kyoto-design.jp/spot/2724
下鴨神社|樹齢200年以上の樹木が生い茂る森の先にある世界遺産
世界遺産の「下鴨神社」は、樹齢200年以上の樹木が生い茂る糺の森(ただすのもり)を通り抜けた先にある神聖な神社です。境内にはいくつもの社が建てられており、それぞれ縁結びや厄除け、子宝、安産、交通安全などのご利益があるといわれています。
自身の化粧品を使って顔を描く手鏡型の鏡絵馬が人気の河合神社や、「みたらし団子」発祥の地とされている井上社など、見どころ満載の下鴨神社。葵祭や御手洗祭といった神事祭も多く、行事の日は多くの参拝客でにぎわっています。そのため、行事のない平日を狙って参拝すると、比較的ゆっくりと観光できるでしょう。
下鴨神社
【住所】京都府京都市左京区下鴨泉川町59
【電話番号】075-781-0010
【アクセス】京阪電車「出町柳駅」から徒歩約12分
【営業時間】6:30〜17:00 ※神事などにより変更の場合あり
【公式Webサイト】https://www.shimogamo-jinja.or.jp/
【SNSアカウント】
https://www.facebook.com/shimogamojinja
https://www.instagram.com/kamomioyajinja
https://twitter.com/kamomioyajinja
雲龍院|丸や四角の窓の向こうに「和」の風景が広がる
JR京都駅のひとつ隣・東福寺駅が最寄りの「雲龍院」は、皇室と深い関わりのある泉涌寺(せんにゅうじ)の別院です。日本古来の屋根工法・こけらぶきでできた本堂の「龍華殿」をはじめ、笑顔が印象的な「走る大黒天尊像」、後水尾天皇が寄進された写経机が残る「写経塔」など、ほかにはない貴重な文化財を見ることできます。
また、雲龍院の書院には、悟りの境地を円で表した悟りの窓と、蓮華の間の4つの四角い障子窓があり、それぞれの窓からは四季折々の美しい景観が楽しめます。静寂に包まれた空間で、日本のわびさびを感じながら、自分と向き合う時間が確保できる穴場スポットです。
雲龍院
【住所】京都府京都市東山区泉桶寺山内町36
【電話番号】075-541-3916
【アクセス】JR「東福寺駅」から徒歩約20分
【営業時間】9:00〜17:00
【公式Webサイト】https://www.unryuin.jp/
【SNSアカウント】
https://www.facebook.com/unryuin
https://www.instagram.com/unryuin
雨の日も安心!プライベートな時間を楽しめる京都の穴場ミュージアム
次に、雨の日も安心して観光できる、プライベートな時間を過ごすのにぴったりの京都の穴場ミュージアムを4つ紹介します。
漢字ミュージアム|体験や遊びを通して漢字の知識が高められる
花見小路と八坂神社の中間に位置する「漢字ミュージアム」は、漢字にまつわる展示やワークショップ、講座・講演会を開催しているミュージアムです。
毎年年末に清水寺で行われる今年の漢字一字の「大書展示」や、大漢和辞典に採録された漢字を用いた「漢字5万字タワー」、ゲームを通して魚にまつわる漢字が学べる「漢字回転すし」など、盛りだくさんの展示内容で、子どもから大人まで夢中で楽しめます。
完全屋内型のミュージアムなので、雨の日の観光はもちろん、祇園エリアを観光する際に休憩を兼ねて立ち寄ってみるのもおすすめです。実際に筆者も京都観光の途中で立ち寄ってみたところ、思っていた以上に楽しく、「漢字5万字タワー」では夢中になって自分の名前を探していました。
漢字ミュージアム
【住所】京都府京都市東山区祇園町南側551
【電話番号】075-757-8686
【アクセス】
・京阪電車「祇園四条駅」から徒歩約5分
・阪急電鉄「京都河原町駅」から徒歩約8分
【営業時間】9:30〜17:00
【公式Webサイト】https://www.kanjimuseum.kyoto/
【SNSアカウント】
https://www.facebook.com/kanjimuseum.kyoto
https://www.instagram.com/kanjimuseum.kyoto
https://twitter.com/kanji_museum
京都国際マンガミュージアム|マンガに関する歴史や文化に触れられる
約30万点のマンガ資料を所蔵する「京都国際マンガミュージアム」は、マンガに関する歴史や文化を紹介しているミュージアムです。館内の書棚にびっしりと並べられた約5万冊のマンガ単行本は、誰でも興奮すること間違いなしの圧巻の迫力。この約5万冊のマンガは自由に閲覧することができるので、ぜひお気に入りの作品を見つけてください。
ほかにも、マンガのつくり方や世界のマンガを紹介した常設展示、オリジナルグッズを販売しているミュージアムショップなど、一日中いても飽きない充実した内容になっています。普段マンガを読まない人も、京都国際マンガミュージアムで、世界中から注目を集める日本の新たな文化に触れてみてはいかがでしょうか。
京都国際マンガミュージアム
【住所】京都府京都市中京区烏丸御池上ル(元籠池小学校)
【電話番号】075-254-7414
【アクセス】京都市営地下鉄「烏丸御池駅」から徒歩約2分
【営業時間】10:00〜17:00
【公式Webサイト】https://kyotomm.jp/
【SNSアカウント】
https://twitter.com/kyotomm
京都鉄道博物館|実際に使われていた鉄道車両54両を展示
「京都鉄道博物館」は、実際に活躍していた54両の鉄道車両が展示された大型ミュージアムです。館内の展示を通して、鉄道の歴史を楽しく学びながら、日本の鉄道の安全性や技術の高さを知ることができます。
また、本物の蒸気機関車が牽引する車両に乗車できたり、運転シミュレータで運転士さんになりきったりと、体験コーナーも充実。
期間限定でさまざまな企画展を開催している京都鉄道博物館は、何度訪れても楽しめるのが大きな魅力のひとつです。お子さまに大人気のミュージアムで週末は混雑が予想されますが、平日であれば比較的ゆっくりと見てまわれる穴場スポットですよ。
京都鉄道博物館
【住所】京都府京都市下京区観喜寺町
【電話番号】0570-080-462
【アクセス】JR「梅小路京都西駅」から徒歩約2分
【営業時間】10:00〜17:00
【公式Webサイト】https://www.kyotorailwaymuseum.jp/
【SNSアカウント】
https://www.facebook.com/kyototeppaku.umekoji
https://www.instagram.com/kyotorailway_museum
https://twitter.com/kyotoumetetsu
アサヒグループ大山崎山荘美術館|山あいにひっそりとたたずむ瀟洒な美術館
築100年以上の建物を利用してつくられた「アサヒグループ大山崎山荘美術館」は、天王山の山あいにひっそりとたたずむかわいらしい美術館です。館内のインテリアはどれもアンティークで貴重なものばかりで、見学するだけでもワクワクします。もちろん、所蔵品もモネの「睡蓮」や河井寛次郎の陶芸品などで、美術館としての見どころも満載です。
また、喫茶室では、京都を流れる3つの川(木津川・宇治川・桂川)と、京都南部から奈良へ続く山々が見渡せる絶景が広がっています。実際に筆者も訪れた経験があり、のんびりとした時間が流れる素敵な空間で、一流の作品に触れながら身も心もリフレッシュすることができました。
※2025年7月7日〜9月19日まで施設改修に伴い、臨時休館しています。詳しくは公式Webサイトをご確認ください
アサヒグループ大山崎山荘美術館
【住所】京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3
【電話番号】075-957-3123
【アクセス】
・阪急電鉄「大山崎駅」から徒歩約10分
・JR「山崎駅」から徒歩約10分
【営業時間】10:00〜17:00
【公式Webサイト】https://www.asahigroup-oyamazaki.com/
【SNSアカウント】
https://www.instagram.com/asahibeer.oyamazaki
さらに落ち着いた空間へ!京都の中心エリア外にある穴場の観光スポット
続いて、京都の中心エリアを外れて少し落ち着いた場所で、自然が織りなす絶景が楽しめる穴場の観光スポットを3つ紹介します。
大覚寺|大沢池に映る四季折々の自然の美
嵯峨天皇の離宮として建てられた「大覚寺」は、観光客の多い嵐山エリアから少し離れた場所にあるため、混雑を避けて観光できる穴場スポットです。
境内は、大きく分けると宸殿(しんでん)を中心としたお堂エリアと、散策に適した大沢池エリアの2つ。お堂エリアでは、加納山楽によって描かれたふすま絵や、木造でできたわたり廊下など、貴重な文化財をゆっくりと見学することができます。
一方、大沢池エリアは池の周りにたくさんの木々が植えられており、その様子が水面に反射した、自然が織りなす大パノラマが眺められます。春夏秋冬それぞれの美しい景観が楽しめるので、ぜひ何度も訪れて大覚寺の魅力をいっぱい感じてください。
大覚寺
【住所】京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
【電話番号】075-871-0071
【アクセス】JR「嵯峨嵐山駅」から徒歩約20分
【営業時間】9:00〜17:00
【公式Webサイト】https://www.daikakuji.or.jp/
【SNSアカウント】
https://www.facebook.com/daikakuji
https://www.instagram.com/daikakuji_official
https://twitter.com/kyoto_daikakuji
柳谷観音 楊谷寺|「花手水(はなちょうず)発祥の地」として話題のお寺
長岡京市の山奥にある「柳谷観音 楊谷寺」は、古くから眼の観音様と呼ばれて地元の人々に親しまれている寺院です。最近では、「花手水(はなちょうず)発祥の地」として話題の観光スポットに。楊谷寺の花手水は、神社仏閣で身を清めるために置かれている手水に花を浮かべたものを指し、SNSやメディアを通じて全国各地に広まったといわれています。
四季折々の花々が浮かべられた花手水は、まさに目の保養にぴったりの美しさ。定期的に花を入れ替えているため、訪れるたびに異なる花手水が見られるでしょう。6月のあじさいウィークと11月のもみじウィークを除けば、比較的ゆっくりと見学できるおすすめの穴場スポットです。
柳谷観音 楊谷寺
【住所】京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2
【電話番号】075-956-0017
【アクセス】
・電車:JR「長岡京駅」からタクシーで約15分
・電車:阪急電鉄「西山天王山駅」からタクシーで約10分
・車:長岡京ICから約10分
【営業時間】9:00〜17:00
【公式Webサイト】https://yanagidani.jp/
【SNSアカウント】
https://www.facebook.com/yanagidani
https://www.instagram.com/yanagidanikannon
https://twitter.com/youkokuji
長岡天満宮|春には真っ赤なキリシマツツジが咲き誇る
学問や文化芸術の神様として有名な「長岡天満宮」は、外周約1kmの「八条ヶ池」や2007年に完成した紅葉庭園「錦景苑」など、自然豊かな景観が魅力の観光スポット。
特に春を迎えると、八条ヶ池の周囲や正面大鳥居をくぐった先の参道の両脇に、真っ赤なキリシマツツジが咲き誇り、長岡天満宮ならではの絶景が楽しめます。
普段はスムーズに参拝できる長岡天満宮でも、毎年キリシマツツジが満開の週末は、多くの観光客が訪れて混雑します。そのため、平日の午前中や満開を迎える前後に参拝するなど、時間帯や日にちを調整して訪れると、ゆっくりとキリシマツツジを観賞することができるでしょう。
長岡天満宮
【住所】京都府長岡京市天神2-15-13
【電話番号】075-951-1025
【アクセス】阪急電鉄「長岡天神駅」から徒歩約10分
【営業時間】9:00〜17:00
【公式Webサイト】https://nagaokatenmangu.or.jp/
【SNSアカウント】
https://www.instagram.com/nagaokatenmangu
建築家・隈研吾がデザイン!京都のおしゃれな穴場ショッピングモール
最後に、建築家の隈研吾がデザインした京都のおしゃれなショッピングモールを2つ紹介します。どちらも京都観光の中心エリアから少し離れた場所に位置し、個性的なショップが多いことから穴場スポットとなっています。
新風館 ShinPuhKan|伝統と革新が融合した先駆的な商業施設
「新風館 ShinPuhKan」は、1983年に京都市指定の登録文化財一号に登録された「旧京都中央電話局」の外観を残しつつ、隈研吾が手がけた和モダンな空間と融合した商業施設です。洗練されたデザインの館内には、関西初や京都初のショップが多く、つい立ち寄ってみたくなるファッションブランドや雑貨店、おしゃれなカフェやレストランなどが入っています。
新風館の地下1階は京都市営地下鉄の烏丸御池駅に直結しているため、雨の日も安心して訪れることができるのも魅力のひとつ。河原町エリアに比べると人混みが少なく、ゆっくりとショッピングが楽しめるでしょう。烏丸御池エリアを観光するときは、ぜひチェックしてみてください。
新風館 ShinPuhKan
【住所】京都府京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2
【電話番号】075-585-6611(マネジメントオフィス)
【アクセス】京都市営地下鉄「烏丸御池駅」直結
【営業時間】SHOP:11:00〜20:00、RESTAURANT:10:00〜22:00、CINEMA:9:00〜23:00
【公式Webサイト】https://shinpuhkan.jp/
【SNSアカウント】
https://www.facebook.com/ShinPuhKan.official
https://www.instagram.com/shinpuhkan_official
COCON KARASUMA 古今烏丸|木のぬくもりが感じられる居心地の良い商業施設
前身の京都丸紅ビルをリノベーションして2004年に誕生した商業施設「COCON KARASUMA」は、「過去と現在、2つの時代の重なり」をテーマに、隈研吾が京都で初めて手がけたプロジェクトです。
2021年7月、17年ぶりに隈研吾がリノベーションを行い、木のぬくもりを最大限に活かしたインテリアが特徴の新エリアをオープン。四条烏丸のランドマークのひとつとして、烏丸通沿いに建っています。
地下1階から地上3階までのフロアには、飲食店や雑貨店、インテリアショップのほかに映画館やギャラリーがあり、観光客や地元の人々が利用しやすいCOCON KARASUMA。館内を歩くだけでも楽しめるので、観光の休憩を兼ねて立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
COCON KARASUMA 古今烏丸
【住所】京都府京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620
【電話番号】075-352-3800
【アクセス】
・京都市営地下鉄「四条駅」直結
・阪急電鉄「烏丸駅」直結
【営業時間】各店舗によって異なります
【公式Webサイト】https://coconkarasuma.com/
【SNSアカウント】
https://www.facebook.com/coconkarasuma2004
https://www.instagram.com/cocon_karasuma
京都の穴場スポットを観光して新たな魅力を発見しよう
京都は、清水寺や伏見稲荷大社、金閣寺など、国内外を問わず多くの観光客に人気の定番スポットが集まっています。一方で、まだまだ知られていない魅力的な穴場スポットも多数。実際に何度も京都へ行ったことのある筆者でも、調べれば調べるほど行ってみたい穴場スポットが見つかりました。
ぜひ、今回紹介した穴場スポットを参考にしながら、あなただけの京都観光プランを立てて、京都の魅力を再発見してみてください。