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【初心者向け】自転車旅の始め方!準備・持ち物・おすすめルート5選

自転車旅は、移動と観光を一緒に楽しめる旅のスタイルとして注目されています。ヨーロッパではすでに定番となっており、日本でも「ナショナルサイクルルート」の整備により、安心して走れるコースが増えています。

以前、「いつか自転車で旅してみたい!」という想いをきっかけに、筆者は初めて自転車でしまなみ海道を走りました。風を感じながら自分のペースで進むサイクリングは、ただの観光とはひと味違う体験をもたらすと感じています。

本記事では、これから自転車旅を始めたい人に向けて、準備や持ち物、おすすめルートを、初心者ながらも日本とドイツで自転車旅を経験した筆者がご紹介します。

自転車旅が注目されている理由

自転車

自転車旅が注目されるのは、スピードがちょうど良く、混雑を避けて自由に移動できる上、環境への負荷も少ないからです。車では通り過ぎてしまう景色も、普段なら見過ごしてしまいそうな小さなカフェや地元の暮らしも、自転車では発見しやすくなります。

コロナ禍を経て、旅のスタイルが「モノ消費」から「体験重視」へと変化する今、自転車を使った観光は「行くこと」よりも「感じること」を大切にする旅の形として、注目を集めています。

自転車旅の魅力

自転車と海

走るたびに景色が変わり、道中に小さな発見がある点が、自転車旅の一番の楽しさです。ここでは、自転車旅だからこそ感じやすい魅力をご紹介します。

自由な旅ができる

自転車旅の魅力のひとつは、旅の自由度が高いことです。公共交通機関の時刻表やルートに縛られず自分のペースで移動できるため、気になった場所にふらっと立ち寄れます。

アクセスが悪くて見過ごされがちなエリアやガイドブックに載っていないような穴場スポットも、自転車なら気軽に行けるのが特徴です。ふと見かけたカフェに入ってみたり、道ばたの神社に立ち寄ってみたりと、「偶然の出会い」を楽しめるのが自転車旅ならではです。

健康効果がある

自転車

「健康のために運動したいものの、歩くだけでは物足りない!でも本格的な運動はちょっと面倒……」という人にぴったりなのが、自転車旅です。

ペダルをこぐ動きは有酸素運動になり、体力の向上や生活習慣病の予防につながります。景色を楽しみながら走っているだけで自然と全身が動き出し、気づけば良い汗をかいていることも。旅の楽しさと健康づくりがひとつになっている自転車旅は、「ただの移動」を「健康な体づくり」に変えるチャンスです。

運動によって消費カロリーも増えるため、旅先で食べるご当地グルメも、罪悪感なく味わえるはずですよ。

エコフレンドリーな旅ができる

持続可能な旅のスタイルとして、環境を守りながら地域を楽しめる点も、自転車旅の大きな魅力です。実際に、自転車旅は環境にやさしい移動手段として世界的にも注目されています。排気ガスを出さないため、大気や自然への負荷を抑えられるのです。

海外でもサステナブルな旅として注目されており、自転車とテントだけで旅するスタイルも人気です。特に観光地では、マイカー利用が混雑や環境問題の原因になることもあります。自転車は、マイカーの代替手段として有効なものだといえるでしょう。

自転車旅の準備|必要な持ち物&計画の立て方

自転車

自転車旅にチャレンジしたいものの「何を持って行けば良いの?」「どこを走れば良いの?」という不安は、初心者にはつきものです。

初めての自転車旅を楽しむためには、事前準備や計画が大切です。ここからは、初めてでも安心して自転車旅を始められるよう、ポイントをわかりやすくご紹介します。

自転車の選び方

自転車旅の第一歩は、相棒となる一台を選ぶことから始まります。自転車旅に使うのは、クロスバイクやマウンテンバイク、ツーリングバイクが一般的です。その中でも初心者には、扱いやすいクロスバイクがおすすめ。山道が多い場所ならマウンテンバイク、長距離にはツーリングバイクが適しています。もし体力に不安がある人は、電動アシスト自転車も選択肢のひとつとして入れておくと良いでしょう。

現地でレンタサイクルを利用する場合は、希望の車種があるか事前に確認しておくと安心です。また現地に前乗りした上で、レンタサイクルで気になる自転車を早めに探し、試乗しておくのも良いでしょう。

自転車旅に持って行きたい持ち物

自転車旅の持ち物

自転車旅で持ち物を選ぶ際は、「少なく・賢く」選ぶことと、安全性を重視することが大切。

まず、基本装備として、ヘルメットやグローブ、雨具は必須です。自転車とともに、ヘルメットをレンタルしてくれる場合もありますので、レンタサイクルを検討している方は、事前に確認しましょう。荷物が重いと走行が大変なので、着替えは泊数分に抑えて、軽めのアウトドアリュックで出発するのがおすすめです。

また、施錠用の鍵やモバイルバッテリーなどのトラブル対策グッズも忘れずに詰めましょう。さらに、GoogleマップやKomootといった地図アプリはルート確認に便利ですので、事前にインストールしておき積極的に活用すると良いでしょう。

以下の記事では、Googleマップのような地図アプリやMaaSアプリなどのトラベルテックを紹介しています。旅の準備や移動、現地での体験を快適にするテクノロジーは、自転車旅でも活用できる可能性がありますので、ぜひ併せて参考にしてみてください。

旅行ストレス激減!タビマエ&タビナカでの最新トラベルテック10選

荷物が多くなった場合は宅配サービスを利用するのも手

荷物が多くなりそうな場合は、宅配サービスを活用するのがおすすめです。特に前泊・後泊をする際、宿泊先に事前に荷物を送っておけば、身軽な状態で自転車旅を楽しめます。

筆者がしまなみ海道を旅したときは、今治での観光も旅程に入れていたため、その分の着替えやお土産、パソコンなどで荷物がパンパンに。しまなみ海道は最低限の荷物で走行したかったこともあり、リュックに入りきらない荷物や自転車旅に不要な荷物は、後泊するホテルへ宅配で送りました。そのおかげで、当日は驚くほど身軽に走れたものです。

「持っていく」ではなく「送る」という選択肢があると知るだけでも、旅のハードルがぐっと下がりますよ。

初心者向けルート計画のコツ

初心者が自転車旅を計画する際は、1日30〜50km程度の短めのルートから始めるのが安心です。日帰りではなく泊まりがけにすれば、ゆったりと旅気分を味わえますよ。

最近では各地の観光サイトやサイクリスト向けサイト、地図アプリを活用して、ルート情報や宿泊・休憩施設も簡単に調べられます。事前にチェックしておき、少し余裕のある計画を立てることで、思い出に残る旅になるでしょう。

初心者におすすめの自転車旅ルート5選

自転車旅

初めての自転車旅には、設備が整った「ナショナルサイクルルート」を選ぶと安心です。ナショナルサイクルルートとは、自転車による観光を推進するため、国が指定した日本を代表する自転車道のこと。

ここで紹介するナショナルサイクルルートは、道の整備はもちろん、休憩所やアクセス手段も充実しており、初心者でも気軽に自転車旅が楽しめるでしょう。

【広島・愛媛】しまなみ海道サイクリングロード|瀬戸内の島々を駆け抜ける県またぎルート 

広島県尾道市から愛媛県今治市まで、瀬戸内海に浮かぶ6つの島をつなぐ約70kmのサイクリングルートが「しまなみ海道サイクリングロード」です。各島を結ぶ橋を渡りながら進むため、海と空の絶景が広がる開放感あふれるコースが楽しめます。世界中のサイクリストが訪れる「聖地」と呼ばれるのも納得の名ルートです。

初心者でも安心して走れるよう道が整備されており、休憩所はもちろん、途中には地元グルメや歴史スポットも満載です。

筆者が初めて自転車旅に挑戦したのが「しまなみ海道」でした。今治からスタートし、尾道までの約70kmを2日かけて走行しましたが、初めてでも不安なく走れたことを覚えています。

【富山】富山湾岸サイクリングコース|世界が認めた美しい湾と海の幸を楽しむライド

富山湾岸サイクリングコースは、氷見市から朝日町まで続く全長約102kmのロングルートです。「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟している富山湾の景観を楽しみながら、穏やかな海沿いを走れるのが特徴です。自転車をそのまま乗せられるサイクルトレインが運航しており、移動がスムーズなのも魅力。

大きな坂が少ないほか、家族向けコースもあるため、自転車旅初心者だけでなく家族連れでも安心して楽しめます。ルート沿いには地元グルメが味わえる飲食店や観光スポットも充実しており、風景もグルメも両方楽しみたい人にぴったりですよ。

【滋賀】ビワイチ|日本一の湖をぐるっと一周!水辺のサイクリング旅

琵琶湖

ビワイチは、日本最大の湖・琵琶湖をぐるっと一周する約200kmのサイクリングルートです。湖岸沿いの道は整備されており、風景を楽しみながら快適に走れます。

ルートの途中には温泉や歴史ある宿場町、城跡など見どころが多く、2~3日かけてじっくり楽しむのがおすすめ。

琵琶湖全周にこだわらなくても、北側だけを走る約150kmのコースや、南側だけの約50kmのコースもあります。フェリーで一部をショートカットする方法、サイクルトレインを使用する方法などもあるため、初心者でも挑戦しやすいサイクリングコースといえます。

【茨城】つくば霞ヶ浦りんりんロード|湖畔と歴史を楽しむ関東屈指のサイクリングロード

つくば霞ヶ浦りんりんロード

つくば霞ヶ浦りんりんロードは、旧筑波鉄道の跡地と霞ヶ浦周辺の道をつなぐ全長約180kmのサイクリングコースです。道が初心者でも走りやすく整備されているほか、体力に合わせて霞ヶ浦一周(約90km)から挑戦できます。

霞ヶ浦の湖畔を走りながら筑波山や田園風景など四季の自然が楽しめるほか、鹿島神宮など歴史あるスポットも訪問可能。自転車旅だけでなく、観光も合わせて楽しみたい人におすすめです。また都心からのアクセスも良く、日帰りから宿泊までプラン次第で自由に楽しめます。

【北海道】トカプチ400|大自然の中を走ろう!日本最長級ロングライド 

トカプチ400は、北海道・十勝エリアの広大な平野を走る全長約403kmのロングライドルートです。北は山岳地帯、南は果てしなく続く田園風景と、多彩な景色を楽しめます。

道幅が広く交通量が少ないため、初心者でも安心して走りやすい環境が整っています。途中には温泉やキャンプ場、農産物直売所、ファームレストランも多く、自然とグルメを同時に楽しめる点も魅力です。距離は長いですが、区間ごとの走行で無理なく楽しめるため、ルートによっては初心者でも挑戦しやすいでしょう。

自転車旅をより快適にするために知っておきたい情報

自転車旅

自転車旅を快適に楽しむには、季節や服装、走行距離の目安をあらかじめ把握しておくことが大切です。

ここでは、自転車旅に役立つ知っておきたい情報を紹介。「もっと早く知っていれば準備できたのに……」と後悔しないためにも、ポイントを押さえて自転車旅をもっと楽しくしましょう。

自転車旅に最適な季節

自転車旅に適した季節は、地域にもよりますが、春(4月〜5月)と秋(9月下旬〜11月上旬)が一般的におすすめです。気温や天気が安定しやすい春や秋は、自転車旅初心者でも走りやすいといえます。

北海道などの積雪地域では、冬季は避けるのが無難です。一方、しまなみ海道のような温暖な地域では冬でも走りやすい日が多く、季節を問わず楽しめるでしょう。事前に行き先の気候をチェックしておき、計画を立てると安心です。

おすすめの服装

「自転車旅には特別なウェアが必要?」と不安に思うかもしれませんが、動きやすい服装とスニーカーがあれば十分です。夏は通気性の良い素材+日焼け対策、冬は防風ジャケットや重ね着で体温調整ができるようにしておくと良いでしょう。

ヘルメットやグローブ、サングラスもあるとさらに安心感がアップします。多くのレンタサイクル場では、ヘルメットもレンタルしているケースが多いため、事前に確認しておくと安心です。

自転車旅は基本的に着慣れた服で無理なく楽しめますが、スカートや裾が広がる服、厚底の靴や革靴、ヒール付きの靴での自転車旅は避けましょう。

未経験者・初心者におすすめの走行距離

荷物を背負って走る自転車旅は意外と体力を使うので、初回は1日30〜50kmほどの短めの走行距離がおすすめです。この距離なら初心者でも2〜3時間で走れるほか、観光や休憩もしっかり楽しめます。

旅行中は道に慣れていないだけでなく、荷物もあるため、普段より疲れやすくなります。いきなり100km以上の走行距離を目指すのではなく、まずは無理のない距離でスタートすると良いでしょう。

道中で見つけたカフェにふらっと寄ったり、写真を撮ったりする余裕があるほうが自転車での旅は楽しいもの。事前に地図を見ながら、立ち寄りスポットや休憩場所を決めておくことをおすすめします。

旅が変わる!自転車旅で新しい景色を見つけよう 

自転車

自転車旅は、移動手段でありながら観光と運動の両方を楽しめる旅のスタイルです。バスや電車では通り過ぎてしまう場所にも立ち寄れるのが、自転車旅の良いところ。特にナショナルサイクルルートは初心者でも安心して走れる道が整っているため、気軽に自転車旅を始められます。

まずは短い距離からチャレンジして、少しずつ自転車旅の幅を広げてみましょう。きっと、これまでとは違った景色と出会えるはずです。

  • 記事を書いたライター
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あさひなペコ

ドイツ・カッセルに住み、マイペースに活動する大学院生x在宅ワーカー。ドイツ語歴15年以上、元旅行販売員&元添乗員です!現在はカッセル大学院で修士号「歴史と公共(GÖff)」に挑戦中。そのかたわら、Webライター/編集業や、ドイツガイドとしても活動。寒いのが嫌いなウィンタースポーツ好き。こう見えて一児のママ。

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