ここ数年で耳にする機会が増えた「LCC(ローコストキャリア)」。格安航空会社のことを意味するLCCですが、価格の安さに魅力を感じているものの、「どうしてここまで安いの?」「安全性は大丈夫?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、LCCを何度も利用してきた筆者が、その安さの秘密を徹底的に解説します。知っておきたいデメリット面から、お得に利用するコツまで詳しく紹介していくので、この記事を読んでLCCの仕組みを理解し、安心してお得なフライトを楽しんでくださいね♪
そもそも「LCC」とは

LCCとは「ローコストキャリア(Low Cost Carrier)」の略で、コストを徹底的に削減して低価格な航空券を提供する航空会社のことを指します。日本ではピーチ・アビエーションやジェットスター・ジャパンなどが有名ですよね。従来のフルサービスキャリア(FSC)と比べて、サービスは必要最低限である一方、運賃は大幅に安いのが大きな特徴です。
なるべく費用を抑えて安く旅行に行きたい場合や、短距離移動の際に活用されることが多いですが、最近では複数のLCC航空会社で国内外の新しい路線が増えており、以前よりも多くの人々がさまざまな用途で利用しています。
LCCはなぜ安い?安さの秘密を徹底解説!

では、LCCはどうしてここまで運賃を安く提供できるのでしょうか?その理由は、サービスや運用の工夫にあります。以下で、LCCの安さの秘密を6つのポイントに分けて解説していくので、詳しく見ていきましょう。
1.機内サービスの有料化
LCCの安さの大きな理由のひとつが、機内サービスの有料化です。従来の航空会社では当たり前だった、飲み物や食事の無料提供、ブランケットやイヤホンの貸し出しといったサービスは、LCCでは基本的に有料となります。座席のモニターもついていないものが多いです。
必要なサービスだけを乗客が個別に購入するシステムにすることで、サービスにかかるコストを大幅に削減できるほか、不要なサービスにお金を払いたくないという乗客にとっても合理的な仕組みとなっています。
2.座席間隔を狭くし座席数を増加

LCCは、機内の座席間隔を従来の航空会社よりも狭く設定し、より多くの座席数を確保することで、一度のフライトで運べる乗客数を増やしています。座席数を増やすことで1人あたりのコストを大幅に削減することが可能となり、その結果LCCの低価格が実現しているのです。
もちろん、座席間隔が狭くなるため、足元にゆとりがないと感じる方もいるかもしれません。ですが、短時間の移動であれば気にならないという方も多く、その分運賃が抑えられるのは大きな魅力ですね。
3.機材の統一化
LCCは、使用する機材の種類を極力少なくし統一しています。たとえば、ボーイング737型機やエアバスA320型機など、特定の機種に絞って運用することが一般的です。
機材を統一することで、パイロットや整備士の訓練コスト、部品の調達・管理コストなどを大幅に削減。整備作業の効率化にもつながり、機体の稼働率を高めることも可能となります。
これにより整備コストや教育コストが抑えられ、運賃を安く提供できるほか、整備士の専門性を集中させられるので、安全性の確保にもつながっているといえるでしょう。
4.発着料の安い地方空港を利用
多くのLCCは、羽田や伊丹といった都心の空港ではなく、発着料が比較的安い地方空港を利用することが多いのも安さの秘密のひとつです。
たとえば、日本国内では成田空港第3ターミナルや関西国際空港第2ターミナルなどがあります。これらはLCC専用ターミナルとして設計されており、滑走路の使用料や駐機料などの空港使用料が低コストのため、その分を運賃に反映させて、航空券の低価格を実現しているのです。
もちろん都市中心部から離れた場所へのアクセス時間や、交通費を考慮する必要はありますが、それを加味しても、コストを抑えて利用できるケースが多く見られます。
5.受託手荷物や座席指定は追加料金

LCCでは、航空券の基本料金には受託手荷物や座席指定料金が含まれていません。オプションとして必要な人が追加料金を支払う仕組みになっており、別料金にすることで基本運賃を抑えることを実現しています。
荷物が少ない人や、座席に特にこだわりがない人にとっては、手荷物を預けずに機内持ち込みのみで済ませれば、余計な費用がかからず格安で空の旅を楽しめるのがポイントです。ただし、多くの荷物を預けたい場合には、逆に割高になる可能性があるため注意しましょう。
6.チケット販売はオンライン中心
チケット販売をオンラインに特化している点も大きな特徴です。実店舗や旅行代理店を通さずに販売することで、人件費や手数料といった間接コストを大幅に削減し、運賃の低価格化を実現しています。
ほかにも、公式Webサイトでの自動チェックイン機能なども活用され、必要最小限のスタッフ数で対応しているのも大きなポイントです。
自宅でも移動中でも手軽に航空券を予約・購入できるため、利用者側にもメリットがありますね。
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知っておきたいLCCのデメリット

安さが魅力のLCCですが、価格を重視する分、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、知っておきたいLCCのデメリットを5つ紹介します。事前にしっかり把握した上で、利用を検討すると良いでしょう。
サービスは基本有料対応
前述のとおり、LCCでは機内サービスが基本的に有料です。飲み物や食事はもちろん、ブランケットの貸し出しなども追加料金が発生する場合があります。
また、エンターテインメント設備がなかったり、座席にモニターが設置されていなかったりする場合も。長時間のフライトの場合は自分で必要なものを用意したり、本などの暇つぶしアイテムを持参したりするなどの工夫が必要です。
快適さを重視する方にとっては、これらの点がデメリットとなる可能性があるでしょう。
欠航・遅延時の対応が不十分
LCCは、コスト削減のために人員や機材に余裕がない場合が多く、悪天候や機材トラブルなどが発生した場合、欠航や大幅な遅延が起こりやすくなります。しかし、欠航・遅延が発生した場合でも、大手航空会社ほどの手厚い補償や振替対応はあまり期待できません。
LCCでは「自己責任」の側面が強く、払い戻しや代替便の手配も限定的なことが多くあります。自己負担で、欠航時の宿泊先となるホテルを探さなければならない場合もあるでしょう。LCCを利用する際は、旅行日程に余裕を持たせたり保険に加入したりしておくなど、自身でのリスク管理が必要です。
座席が狭い
LCCの機体は座席数を多く確保するため、ひと席あたりのスペースが狭く設計されています。そのため、長時間のフライトでは疲れやすく、身長が高い人や体格の大きい人だと窮屈に感じる可能性があります。もちろん、追加料金を支払って足元の広い座席を指定することも可能ですが、コストがかさんでしまうため、せっかくのLCCのコスパの良さを実感できないケースも。
快適さよりコストを重視するかどうか、個人の好みによって評価が分かれるポイントです。
航空券の変更・払い戻しができない場合がある

LCCの航空券は、一般的に変更や払い戻しができない、または高額な手数料が発生するケースが多いです。従来の航空会社のような柔軟な対応はあまり期待できません。そのため、旅行計画変更時には新たなチケット購入が必要になることがあります。
旅行の予定が不確定な場合や、急な変更の可能性がある場合は、LCCの航空券を購入する際に注意が必要です。予約時に、変更や払い戻しに関する規約をしっかりと確認しておきましょう。
空港までのアクセスが不便な場合がある
前述のとおり、LCCは地方空港や都市中心部から離れた空港を利用することが多く、アクセスに時間やコストがかかるケースがあります。電車やバスの本数が限られている地域もあり、移動の不便さを感じるケースもあるでしょう。特に、早朝や深夜のフライトの場合は、出発および到着時に始発や終電が動いていない可能性もあるので注意が必要です。
航空券を購入する前に、空港までのアクセス方法や所用時間などをしっかり確認した上で、購入を判断しましょう。
「やめたほうがいい」との声もあるものの、LCC航空券の安さは魅力的!

LCCについては、「サービスが悪い」「遅延しやすい」などネガティブな口コミもあり、“やめたほうがいい”という声があるのも事実です。もちろん、コストを抑えられる分デメリットもありますが、筆者の経験からいえば、短距離路線や日程に余裕がある旅であれば、非常にコストパフォーマンスも高く、メリットの大きい選択だと感じます。
「LCCは安全性に問題があるのでは?」と心配する声もありますが、LCCも国の安全基準を遵守しており、定期的な機体の整備やパイロットの訓練もきちんと行われています。筆者自身も、国内外の旅行で何度もLCCを利用していますが、今のところ大きなトラブルに遭遇したことはありません。もちろん、遅延や座席の狭さを経験したことはありますが、それを考慮しても、LCCの安さはとても魅力的です!(オーストラリアなどの長距離移動でも利用しました)
何を重視するかによってもちろん判断は異なりますが、コスパ重視の方にはやはりおすすめですね。
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LCCを賢く使う!さらにお得に利用するコツ

LCCのメリットを最大限に活かし、よりお得に空の旅を楽しむためには、いくつかのコツがあります。以下で紹介する4つのポイントを押さえて、賢くLCCを利用しましょう!
荷物は軽量化して持ち込む
受託手荷物は有料となる場合が多いため、できるだけ荷物を軽量化し、機内持ち込みできるサイズに収めるようにしましょう。各社によって持ち込み制限サイズや重量が異なるため、事前に航空会社の規定を確認し、無駄な荷物を減らす工夫をすることが大切です。
圧縮袋を活用して衣類を圧縮したり、シャンプーや化粧水などは、旅行用の小型容器に詰め替えたりするなどのテクニックを活用するのもおすすめですよ。
必要なオプションだけ選択して無駄を省く

LCCは、座席指定や機内食、受託手荷物など、さまざまなオプションサービスが有料で提供されています。そのため、本当に必要なサービスだけを選択し、無駄な出費を抑えるようにしましょう。
たとえば、短距離のフライトであれば機内食は不要ですし、座席に特にこだわりがなければ、指定なしにすることでコストを抑えられますよね。
自分の旅行スタイルに合わせて賢くオプションを選択することが、LCCをお得に利用する秘訣です♪
セールやキャンペーン情報をこまめにチェック
LCC各社では、定期的にセールやキャンペーンを実施しています。通常価格よりもさらに安い価格で航空券を購入できる可能性があり、とてもお得ですよ!公式Webサイトやメールマガジン、SNSなどをフォローして、最新の情報を逃さないようにしましょう。
特に、新規路線就航セールや、GW・正月などの季節限定キャンペーンが狙い目ですよ。
遅延・欠航に備えて柔軟な旅行計画を立てる
LCCは、欠航や遅延が発生しやすい傾向があるため、旅行計画を立てる際には、ある程度の余裕を持たせておくことが重要です。特に乗り継ぎがある場合は、時間に余裕を持たせたフライトを選択するようにしましょう。
また、万が一の事態に備えて、旅行保険に加入しておくことも検討しましょう。LCCの特性を理解した上で柔軟な旅行計画を立てることが、安心して空の旅を楽しむためのポイントですよ。
LCCがなぜ安いのか理解して、お得な旅をしよう!

本記事では、LCCの安さの秘密や利用する際の注意点、さらにお得に利用するためのコツまで詳しく解説してきました。デメリットもいくつかありますが、LCCの特性を理解し賢く利用することで、旅行の選択肢は大きく広がります。セールやキャンペーンを上手に活用すれば、信じられないような価格で空の旅を楽しめることも!
ぜひ本記事の情報を参考に、次の旅ではLCCを選択肢に加えて、お得でスマートな旅を楽しんでくださいね!