西武HD社長、ホテル売却で「サービス向上」 株主総会
西武ホールディングス(HD)は22日、埼玉県所沢市で定時株主総会を開いた。後藤高志社長はホテルなどの資産売却について「これからは施設の運営に集中することで、さらにサービスの質を高めていく」と述べた。
同社はホテルやレジャー施設など国内31施設をシンガポール政府系投資ファンドのGICに1500億円規模で売却し、売却後もホテルなどの運営は続ける。後藤社長は総会で「GICの知見を活用し、今まで以上にバリューアップを図っていきたい」と強調した。
西武HDは資産を減らして経営効率を高める「アセットライト」戦略を加速している。総会に出席した千葉県在住の男性株主は「採算を改善するための資産売却はやむを得ないと思う。売却後もホテルで働く従業員の待遇などは気にかけてもらいたい」と話していた。今期の連結営業損益は310億円の黒字(前期は132億円の赤字)と3期ぶりの黒字転換を目指す。
総会では株主から、所沢駅周辺の再開発計画に関する質問も出た。西武HD傘下で不動産を手がける西武リアルティソリューションズ(東京・豊島)の上野彰久社長は「商業を核とした広域集客型の大規模開発により所沢を訪れる人が増え、エリアの活性化につながると確信している」と応じた。
会場には前年より29人多い168人の株主が集まり、所要時間は1時間16分だった。取締役や監査役の選任など4つの議案は原案通り可決した。