厳しい日本のコロナ対策に「緩和スケジュール示して」 英ツアー業者が訴え

オンラインでのインタビューに応じる英国の旅行代理店「INSIDE JAPAN」のジェームス・マンディーさん =6月14日
オンラインでのインタビューに応じる英国の旅行代理店「INSIDE JAPAN」のジェームス・マンディーさん =6月14日

団体ツアーのみ訪日外国人観光客の受け入れが再開された中、英国の旅行業者は、ツアー中の行動管理など日本の厳しい新型コロナウイルス対策を知り、旅行を見合わせる利用客が一定数いることを明かした。政府は感染状況に応じ、水際対策を緩和することも検討しているが、いち早く緩和の条件やスケジュールを公表するよう求めている。

産経新聞などのオンライン取材に応じた日本旅行を専門とする英国の旅行代理店「Inside Japan(インサイド ジャパン)」では、日本政府による団体ツアーの受け入れ再開発表後、予約件数が徐々に伸びているという。同社の担当者、ジェームス・マンディーさんは、日本製の電化製品や外食などのサービスはクオリティーが高く、「日本に行きたい人は多い。円安も非常に魅力的だ」と話す。

ただ、受け入れ再開に当たって観光庁が発表した順守すべき新型コロナ対策が記載されているガイドラインについて、ジェームスさんは「私たちは歓迎されていないのではないかと感じる」と打ち明ける。

欧米では新型コロナの感染状況が落ち着き、多くの人がマスクを外している。一方、マスク着用の徹底を求め、違反時はツアー終了の可能性もあるとした日本の方針を知り、旅行を先送りにする客もいるという。

また、コロナ禍前は不要だった観光ビザの取得が義務付けられており、ビザが必要ないベトナムをはじめ、他のアジアの国に旅行客が流れる恐れがあるとジェームスさんは指摘する。

コロナ禍に入る前、同社の旅行客の内訳は、個人旅行が8割、団体が2割だった。それだけにジェームスさんは個人旅行の解禁を期待し、規制緩和について「次がどういったステップになるのか早く発表してほしい」と訴えた。

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