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ベトナム航空（HVN/VN）は6月3日、旅行会社向けのセミナーを都内ホテルで開催した。観光を目的とした訪日再開のほか、ベトナム政府が入国時のPCR検査などを撤廃したことにより、拡大が見込まれる両国の往来需要の獲得強化を働きかけた。同社によると、日本路線の便数は来年夏には新型コロナウイルス流行前とほぼ同数の水準に戻り、新路線も計画しているという。
旅行会社向けのセミナーで需要獲得強化を働きかけるベトナム航空の森田氏＝22年6月3日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
—記事の概要—
・7月から日本10路線に
・ベトナム国内コロナ「ほぼ終息」
・訪越客、検査撤廃で回復傾向
7月から日本10路線に
7月から日本10路線を運航するベトナム航空＝PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
同社は新型コロナウイルス流行前の2019年に日本路線を11路線を運航し、週81往復乗り入れていた。現在はハノイ－羽田線とダナン－成田・関西線の3路線を運休。ホーチミン－成田線やハノイ－中部線など残りの8路線は、減便し運航している。
運休3路線のうち、ハノイ－羽田とダナン－成田の2路線は、7月1日から運航を再開。現在週2往復のホーチミン－成田線は、同日から1日1往復（週7往復）に増便するなど、往来需要の増加に備える。
運休中のダナン－関西線は再開時期が決まっていない。同社によると、ダナンは夏にシーズンを迎えることから「冬に再開するのは難しい」と説明。路線は廃止せず一時運休し、時期を考慮して復便させたい考え。
ベトナム国内コロナ「ほぼ終息」
旅行会社向けのセミナーで、ベトナム航空日本支社旅客営業部の森田順悟セールスマネージャーは、ベトナム政府が5月15日からPCR検査と抗原検査要件を撤廃したことを紹介し、「完全に開国した」と説明。ベトナム国内ではコロナの感染者数が1日1000人台に落ち着いたことから「ベトナム国内のコロナはほぼ終息した。安心して訪越して、と伝えて」と旅行各社に呼びかけた。
また、日本路線の今後の見通しについて、10月30日に始まる冬ダイヤでは2019年比で39％減、2023年3月26日からの同年夏ダイヤでは5％減となることから、コロナ前の水準を「ほぼ回復する」（森田氏）とした。
このほか、日本路線では新路線も計画しているという。具体的な時期や路線は明らかにしなかったものの、コロナ前の水準を回復する2023年夏以降の開設を計画し、札幌や広島などへのビジネス路線のほか、ニャチャンやフーコックなどのリゾート地から成田への観光路線の開設を検討しているとみられる。
またベトナム航空の本社からはマーケティング＆セールス部のチュン・チャン・ゴック・フン副本部長が来日し、「日本市場の拡大にありとあらゆる可能性を見いだしている。運休路線を再開し、日本からの需要回復を目指す」と語った。
訪越客、検査撤廃で回復傾向
日本政府観光局（JNTO）の統計によると、ベトナムを訪れた日本人客は、現時点で最新データとなる2019年が前年比15.2％増の95万1962人だった。ベトナムからの訪日客数は、2019年が過去最高の49万5051人。2020年は前年比69.2％減の15万2559人、年間を通じコロナの影響が出た2021年は同82.6％減の2万6586人だった。
ベトナム政府観光局（VNAT）の統計によると、今年1月の同国入国者数は5800人、2月は1558人だった。3月は15日から日本を含む13カ国を対象とし、渡航者の受け入れを再開したことから1万5000人に増加。4月は7万人、5月は15日から検査要件を撤廃したことで13万6000人となり、回復傾向にある。
関連リンク
ベトナム航空
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